「フリーランスから会社員に転職したい。出戻りしたいけど、うまくいくかどうか不安」という悩みを持っている人は多くいます。
フリーランスから会社員への転職は可能ですが、会社員から会社員への転職よりもハードルが高いです。というのも、企業の中にはフリーランスに対する偏見を持っているところがありますし、フリーランス自身が会社員に馴染めないことがあるからです。
この記事では、フリーランスから会社員へ転職したい・出戻りしたいという人のために、フリーランスから会社員になるための手段、おすすめの方法、転職活動にあたってやっておきたいポイントについて紹介します。
就職先の企業も、あなたも幸せな転職になるようなポイントをまとめたので、転職活動を本格的に始める前に参考にしてください。
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フリーランスから会社員への転職・出戻りは可能
フリーランスでやっていけてはいるものの、「会社員時代が懐かしい」「会社員に戻りたいなぁ」と感じることってありますよね。
フリーランスから会社員への転職・出戻りは可能です。実際に「昨年まではフリーランスでしたが、今年からは〇〇社さんにお世話になることになりました!」と転職エントリーをブログに綴っている人もいます。
ただし、フリーランスなら誰でも簡単に会社員に戻れるわけではありません。新卒フリーランスやスキルアップ目的のフリーライダーのように経営者から「関わりたくない」と感じられているフリーランスもいるからです。
会社員への転職は、あなたがどれだけ「怪しいフリーランスではなく、雇うことで御社にメリットがあります」と伝えられるかにかかっています。
とはいえ、自分の会社と相性の良さそうなフリーランスを好意的に見ている経営者も多く、幅広い人脈や経営者視点での仕事を期待して積極的に採用している企業もあります。
フリーランスから会社員に転職する3つの方法
フリーランスから会社員になる方法は、主に3つあります。アルバイト探しのようにIndeedやdodaに登録して転職先を探す方法がメジャーですが、一番無難な方法は、転職エージェントを利用して再就職活動をすることです。
- TwitterなどのSNSで転職活動をする
- 取引先に正社員として採用してもらう
- 転職エージェントを利用して再就職活動する
それぞれのやり方やメリット・デメリットについて簡単に紹介します。
TwitterなどのSNSで転職活動をする
TwitterやFacebook、それらと連動した就活ツールWantedly、Linkedinなどで転職活動をする方法があります。
SNSのプロフィールページに「就職希望です」と自分のスキルや希望年収を貼り付けて転職活動する人もいますし、就活用のハッシュタグを利用してアピールする人もいます。
企業側が「こんなスキルを持っている人を募集しています」と案内を出している場合もあるので、そこから応募することも可能です。Twitterなら「#Twitter転職」「#Twitter採用」といったハッシュタグで検索すると、応募企業がヒットします。もし、「この企業に入りたい」という希望があるなら、その企業の公式Twitterをチェックしましょう。採用情報が掲載されていることもありますよ。
SNS転職のメリット
採用側のSNSでの振る舞いを知った上で応募できるので「こういう雰囲気のところとは仕事をしたくない」というところに行かずにすみます。自分の振る舞いも見てもらった上で採用に入るので、ミスマッチが少ないです。
採用担当者と直接繋がれるので、応募から面談までスピーディーに進むのもメリットです。
SNS転職のデメリット
お互いのアカウントが特定されている状態なので、SNSでの活動が息苦しくなります。中には、入社初日に「今のアカウントは閉鎖してください」「アカウントは実名・顔出しでお願いします」と伝えられた人もいるくらいです。また、SNS上ではいい企業でも、実際に入ってみるとポジション的にブラックだったパターンもあります。
取引先に正社員として採用してもらう
現時点で取引している会社に正社員として採用してもらう方法もあります。会社側から「うちの専属になりませんか」「ポジションご用意します」と声をかけられることもありますし、フリーランス側から声を出すこともあるようです。
取引先の正社員になるメリット
取引実績があるので、会社の社風や仕事内容をわかった上で社員になれるのが最大のメリットです。面接や書類選考がない場合もあります。
人間関係もわかった上で就職できるので、「せっかく転職したのに、人間関係が悪すぎて、すでに転職したい」という事態も発生しにくいです。
取引先の正社員になるデメリット
「正社員=専業」という意味で、副業が一切禁止になる可能性があります。
取引先が「正社員になりませんか」というので、お話を聞きにいったらトンデモ案件だった。副業禁止、今受けてる案件も全権断ってフルコミットが必須。やる仕事を聞いたら今の倍以上。単価は据え置き。それで月25万とか言われても…。
この取引先との縁も切れちゃうかもしれないけど、今のままの方が稼ぎはいいし、社会保険がつく程度でそこまで妥協しなきゃいけない理由がわからない…。
正社員になると社会保険に加入できるので、フリーランスよりは安定しますが、収入が大幅に下がるような条件を突きつけられたのではたまりませんよね。
さらに、Webデザイナー・コーダーだった人がディレクションや依頼主との面談まで任されるなど、フリーランス時代に請け負っていた仕事以上の仕事をしなければならない場合もあるので注意が必要です。
転職エージェントを利用して再就職活動する
転職エージェントを利用して会社員に戻る方法です。「フリーランスは相手にされないのでは?」と感じる人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
転職エージェントを利用するメリット
転職エージェントには転職市場に精通したコンサルタントがいます。あなたのフリーランスとしての実績や会社員生活に希望することをヒアリングした上で転職先を探してもらえます。
履歴書・職務経歴書の作成もサポートしてくれますし、模擬面接も実施してもらえるので、転職活動のハードルも下がります。
転職エージェントを利用するデメリット
転職エージェントを利用するデメリットは特にありません。求人を紹介してもらう前のコンサルタントとの面談を面倒と感じる可能性があるくらいです。
関連記事:転職エージェントおすすめランキング!利用方法やメリットを徹底解説【55サイトから分析】
フリーランスから会社員への転職を成功させるコツ
フリーランスから会社員への転職を成功させるために押さえておきたいポイントについて紹介します。最も重要なポイントは、企業側がフリーランスに持っている不信感や不安・疑問点を解決することです。
企業がフリーランスを雇うことに抱いている代表的な不安や疑問にはこんなものがあります。
- 即戦力として使えるか
- 協調性がないのでは?
- 常識に欠けるのでは?
- 収入との折り合いが付けられないのでは?
- 出勤がめんどうに感じてしまうのでは?
- フリーランスを辞める理由はなに?
- スキルアップのための腰掛入社なのでは?
これらを払拭するためにも以下の3つのことは、必ずできるようになっておきましょう。
- 会社員になりたい明確な理由を言える
- コミュニケーション能力や常識力に問題がないことを証明できる
- スキルや実績をわかりやすくまとめてある
詳しく紹介します。
会社員になりたい明確な理由を言える
以前、「会社員はオワコン」の一言が流行し、会社員からフリーランスに転職する層が広がりました。会社に勤めることに窮屈さや理不尽さを感じている人にしてみれば、自由なフリーランスは羨ましい働き方の1つです。「理想の働き方に思えるのに、なぜ会社員に戻りたいのですか?」という疑問は必ず出てきます。
一般転職や新卒の就活のときと同じように、「なぜ、その会社なのか」を説明できるようにしておきましょう。
また、「スキルアップのために1年程度で転職を繰り返すのが正しい企業の使い方」という人もいますが、人を育てるためのコストを払っている企業にしてみればたまったものではありません。フリーランスとして独立していた実績があるだけに「スキルアップのためだけの転職=すぐにフリーランスに戻る」という悪い想像に現実味があります。「スキルアップができると思って…」という一言は企業にとっては恐怖でしかないことを覚えておきましょう。
本音が「景気に左右される」「スキルアップできない」といったものであったとしても、それを伝えられて「雇いたい」と思う企業はありません。会社員になりたい明確な理由を用意し、多少突っ込まれたとしても答えられるようにしておきましょう。
コミュニケーション能力や常識力に問題がないことを証明する
フリーランスに対する偏見の1つに「社会性やコミュ力、協調性がないからフリーランスにしかなれなかった」というものがあります。特に、新卒フリーランスのように社会人経験の浅いまま自由な働き方を手に入れてしまった人は、常識力を疑われがちです。
気をつけておきたいのが、Webでのマナー・常識は、一般社会での非常識である場合があることです。例えば、Webやフリーランス仲間の間では、相手の時間を奪ってしまう電話よりもメール・チャット連絡が一般的でも、一般社会では電話の方が評判がいいといったようにです。
応募してきたフリーランスさん、何回連絡しても電話に出てくれないから「他で決まったかな」と思ったら予想の斜め上をいくメールがきた。
『電話代がもったいないので、基本的に電話には出ません。案件紹介でしたら、メールかスカイプでお願いできますでしょうか。こちらの都合に合わせてください。(以下、日程)』
お返事したくないくらい、ちょっと…アレなんだけど。これ…。
社会人としてのマナーは、応募時のメールや電話対応、書類の文面などに現れます。企業の採用担当者は、そういった「何かおかしいな」という違和感を感じるのが得意です。「採用面接で違和感を感じたなら雇うな」は、採用担当者の常識でもあります。
社会人経験が浅い人や、マナーに自信のない人は就活用の本などで勉強するか転職エージェントにアドバイスを求めておくといいでしょう。転職者向けのセミナーやe-ラーニングを用意しているエージェントもあるので、上手に利用したいですね。
スキルや実績をわかりやすくまとめる
会社員から会社員への転職であっても、「私が入れば御社にこれくらい役立ちます」を伝えることがとても大切です。他の応募者に比べて自分がどれくらい優秀なのかをきちんとアピールできるようにしておきましょう。
インターネットを調べれば、職務経歴書の書き方やフォーマットが数多くヒットしますが、フリーランス向けの職務経歴書はあまりありません。ポートフォリオ代わりのWebサイトを持っていたとしても、採用試験で使われるのは紙ベースです。書類でアピールできるように整えておきたいですね。
奇抜な実績シートよりも、ある程度一般転職用のフォーマットに沿ったキャリアシートの方が好まれます。特に同調圧力や協調性が重視される古い企業の場合は、少しでも他と違う空気感を出すと弾かれる可能性が上がるだけです。
どんなフォーマットが好まれるのかや、自分のいいところをどうやって伝えればいいかに悩んだら、転職エージェントのサポートを受けてみるといいでしょう。親身になってアドバイスしてくれますし、企業別の傾向や対策を考えてくれます。
フリーランスが転職活動に不安があるならエージェント利用がおすすめ
フリーランスから会社員への転職活動に不安があるなら、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
転職エージェントには、転職事情に詳しいコンサルタントがいます。あなたの希望や実績をヒアリングした上で、求人紹介してくれますし、転職に関係する手続きもお任せできるのです。社会人としてのマナーや常識力に不安を感じている人向けの講座を開設しているエージェントもあります。
SNS転職と併用して使えば、よりスムーズな転職活動ができるでしょう。
一般転職にもフリーランスからの転職にも強いエージェントを4つ紹介します。
マイナビエージェント
公式サイト:マイナビエージェント
マイナビエージェントは、20代から30代前半の若手の転職に強い転職エージェントです。新卒採用のときにマイナビにお世話になった人も多いと思いますが、企業との繋がりが深いのでマイナビエージェントでしか出会えないオリジナル求人が多いことに定評があります。
コンサルタントに相談することでしか紹介されない非公開案件が豊富なので、フリーランス時代に築いた実績とスキルを活かせる求人に巡り会える可能性が高いです。Web系フリーランスの人が収入をほぼ変えずに、一般企業のWeb担当やマーケティング担当に落ち着いた例もあります。
会社員から会社員への転職においても、社会人経験の浅い「第二新卒」「既卒」「未経験者」への求人紹介にも強いです。新卒フリーランスや見切り発車的なフリーランスの方で「フリーランスになったはいいけれど、食べるのに困りつつある」という人の味方にもなってくれるでしょう。
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関連記事:マイナビエージェントの口コミ・評判を分析!うざいと勘違いするほど面倒見がいい転職エージェント
レバテックキャリア
公式サイト:レバテックキャリア
レバテックキャリアは、長年、フリーランスが安定収入を得るための案件紹介をしていた実績のある企業です。フリーランスへの理解のある企業との繋がりが深く、フリーランスから会社員・派遣社員を希望する人向けの求人が豊富にあります。
フリーランス向けの案件紹介もしているので、「会社員になりたいけれど、転職活動中も案件を探したい」という人の強い味方になってくれるでしょう。
ただし、レバテックキャリアは、Web制作やIT系の仕事が得意分野です。紹介される求人もWeb・IT系が中心なので、それ以外の業種で会社員生活を送りたい人には向いていません。
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関連記事:レバテックキャリアの口コミ・評判を徹底比較!【業界に精通したアドバイザーが紹介】
リクルートエージェント
公式サイト:リクルートエージェント
リクルートエージェントは、経験豊富なキャリアアドバイザーが所属している転職エージェントです。保有している求人数は、マイナビエージェントと同じく、業界トップクラスです。20代の若手からキャリアアップ目的の中堅どころの転職まで、幅広く対応してくれます。
コンサルタントのサポートも手厚く、初めての転職で不安を感じている利用者も「利用してよかった」「安心して転職できた」という感想を持つことが多いです。新卒専門サイトのリクナビと同じリクルートグループが運営しているので、企業とのつながりも深く、各業種に精通したコンサルタントが所属しています。
30代半ば以降のフリーランスが会社員への転職を狙うなら、リクルートエージェントを利用したいところです。
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関連記事:リクルートエージェントの口コミ・評判を徹底比較!特徴や注意点も解説
doda
公式サイト:doda
dodaは、転職エージェントではなく転職サイトです。転職サイトは、アルバイト検索サイトのように自分自身で求人を検索し、応募する必要があります。dodaは、公開求人数が6万件もあり、大手転職エージェントに引けを取らない求人を保有しています。
フリーランスからの転職は、会社員からの転職よりも採用試験対策が必要なので、相談相手がいない転職サイト単体での利用はおすすめできませんが、転職エージェントと併用して利用すれば、自分好みの転職先が見つかる可能性が高まるでしょう。
dodaは、関連サービスでdodaエージェントも展開しています。dodaに登録していればワンクリックでエージェントサービスにも登録できるので、同時利用してもいいでしょう。
地方への転職や未経験者向け求人に強いので、住みたい地域がある人や未経験業種に挑戦したい人に向いています。
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関連記事:doda(デューダ)の口コミ・評判からメリット・デメリットを検証【利用するだけ損?】
まとめ:フリーランスが正社員・会社員に転職するには転職エージェントを使おう
フリーランスから会社員への転職は可能です。しかし、会社員から会社員への転職よりはハードルが高く、苦労する人も多いのが現実です。
正社員として雇ってしまえば、何か問題があってもすぐにクビにできないのが企業の辛いところです。企業の採用担当者も、「正社員として雇ったとしても、数年でフリーランスに戻ってしまうのでは?」「他のメンバーと問題なくチームワークができるのだろうか」「そもそも何か問題があってフリーランスになった人だったら…」そんな不安や心配を抱えています。
フリーランスから会社員に転職したいなら、そういった企業の心配事を採用段階で解消しなければ難しいのです。取引先に雇ってもらうのがもっとも安心できますが、現実にはそううまくいきません。
企業にあなたのいいところをきちんとアピールするためにも、一般社会と自分の仕事姿勢のギャップを埋めるためにも、一度は転職のプロに頼りましょう。
転職エージェントは、登録も相談も無料です。便利に使って転職が有利に進むならそれに越したことはありません。フリーランス仲間はいても、会社員転職について詳しい仲間は少ないものです。自分の今の市場価値を測るためにも、登録しておきましょう。