「好きで保育士になったけど、辞めたい。保育の現場から離れたい」そう感じていませんか。
薄給のうえに激務、有事であっても休むことは許されず「保育士には人権がない」と感じている現役保育士は数多くいます。
この記事では、「保育業界を離れて別職種で人生をやり直したい」「もっといい職場に巡り会えるはずだから転職したい」と考えている保育士さんのために、保育業界から転職した先輩たちの体験談や転職活動を成功に導くためのポイントについて紹介します。
「本当は今すぐ辞めたいけど自分の将来が心配で踏み出せない」という保育士さんは、ぜひ参考にしてくださいね。
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保育士辞めたい!まるで地獄な辞めたい理由5選
保育士を辞めたいと強く願っている人に辞めたい理由を聞いてみると、大体5つにわかれます。
- 経験があっても給与は10万円代
- 勘弁してよ…職員同士のハラスメントといじめ
- 可愛いのは子供だけ。保護者は全員モンスター
- 残業、早出、持ち帰り。終わらない仕事
- 自分の子供は無理?充実できないプライベート
主な理由は、低い給与と職場環境です。
特に多かったのが、いつまでも上がらない給料と、職員・保護者との人間関係でした。「子供は可愛いのに」「子供のためを思ってサビ残もしているけど、せっかくの気持ちが台無し」と言った声も多い、保育士の皆さんの悩みを紹介します。
経験があっても給与は10万円代
保育士の給与は経験があっても10万円代後半であることが多いです。20代と30代の平均月収の差額は2万円程度、ボーナスがあったとしても年収300万円に届かない場合も多く、保育士の給与は低い状態にあります。
「女が片手間でやる仕事」と思われてるんだと思う。月収は17万円。ボーナスは30万円あるけど、食べてくのがやっとという感じ。園長とかになれば別なんだろうけど、保育士同士の給与はほとんど変わんない。
20代から保育士で30代に差し掛かっている人からはこんなお話をきけました。公立の保育園にお勤めの人なのですが、クラス担任になろうと補助だろうと大して変わらない給与にお悩みの様子です。
「大して給料が変わらないなら、責任の伴わない方の仕事がしたい」という意見もありました。
勘弁してよ…職員同士のハラスメントといじめ
職員同士のハラスメントやいじめで悩む人も多かったです。職員同士のトラブル相談で多かったのが、妊娠・出産計画にへの嫌味といったマタハラでした。
出産時期を園長が決めるとか、ネットの噂話だろうと思っていたのに、自分の職場でもあってびっくり。まだ妊娠もしていないのにマタハラがあると思わなかった。
勤めている保育士の育児休暇の順番を決める幼稚園・保育園の話がインターネット上で話題になったことがありましたが、実際にあってしまった人の体験談です。まだ妊娠もしていないのに、「あなたは後2年は妊娠しないで」と言われてしまったとのことでした。
若い保育士が多い職場では、プライベートで恋人がいることも嫉妬の対象になり、それがきっかけでいじめが始まってしまうこともあるようです。「あの人にやらせておけばいいじゃん」と、業務を一人に押し付けたり、「こんなこともできないの?」と暴言を吐かれ、メンタルがズタズタになる人もいます。
可愛いのは子供だけ。保護者は全員モンスター
「会社を休めなくて、ピリピリするのはわかるけど、他の利用者の迷惑だってわかってほしい」と、モンスター保護者に悩まされている保育士も多いです。
玄関で抱っこしたら明らかにいつもより温かい。熱っぽいのをわかって置いていく親。すぐにお迎えの電話を入れたら、ものすごいクレームがきて、園長に対応してもらった。片親家庭だし、仕事しなきゃいけない気持ちはわかるけど…。
どうしても会社を休めない事情もわかってはいるけれど、やっぱり迷惑なのが病気の子供の預かり。その場で体温を測って帰宅させるわけにもいかず、困る保育士からの相談はつきません。
パパさんのお送りが続いてからの、お母さんの送り。なんか妙な雰囲気出してるな? と思ったら、「うちの人に色目つかわないでください!」って。あなたのバカ旦那が、勝手に勘違いしたんでしょ。
お母さんからの嫉妬やお父さんの勘違いに悩む保育士もいました。若い保育士さん相手に「ワンチャンある」と勘違いしてしまう父親もどうかと思いますが、真にうけてクレームをつける母親もどうなのでしょうか。
残業、早出、持ち帰り。終わらない仕事
子供の面倒をみるだけでなく、保護者への連絡や事務作業、保育園行事の準備、保育所内の飾り付けも保育士の仕事です。普段の持ち帰り仕事や残業は、2時間から3時間程度におさまる人が多いようですが、行事前は地獄をみる保育士もいます。
お遊戯会の衣装を手作り。幼稚園とかは保護者にお願いするみたいだけど、保育園の親にそんな時間はないから仕方がない…。行事前や季節の変わり目は、寝る暇がない日もあります。
保育園も幼稚園と同じようにお遊戯会や運動会があります。PTAもあるので、保護者にお願いできる部分もありますが、子供の行事の準備はほとんどが保育士の担当です。季節の変わり目に保育園内の飾り付けを変更するのも保育士なので、企画から考えると年中忙しいことになります。
自分の子供は無理?充実できないプライベート
「普段、子供達に囲まれているから、休日は一人でいたい」「結婚もしたいけど、婚活する気力がない」という保育士も多いようです。
出会いはないし、婚活する体力も時間もないです。自分の子供は欲しいけど、相手がいない(笑)変に妥協して結婚したら「保育士なんだから」って子育て丸投げされそうだし、損ですよね。
現場で出会う大人は保護者ばかりで「自分の子供を作るための出会いがない」と嘆く保育士もいました。「奥さんのいるパパさんにモテても」と困惑する保育士もいて、悩みは深いようです。
保育士を辞めて転職!先輩達はどうしてる?
保育士を辞めて転職した先輩たちの転職後の仕事事情を調査しました。
保育士から他業種に転職した人や理想の保育園を求めて転職を繰り返している人、フリーランス保育士(ベビーシッター)になった人の体験談を紹介します。
保育士から他業種への転職は20代だからこそ成功した
保育士から事務職に転職した方は「他業種への転職が成功したのは、20代で若かったからだと思う」と話してくれました。
25歳のときに保育士から一般事務へ転職しました。明るい性格だったので、販売職ならすぐに内定をもらえる自信があったのですが、子育てしても続けられる仕事がよかったので、土日お休みで残業が少ない事務職を狙いました。
最初は、市役所の短期バイトで6ヶ月間。その後、市役所の実績を持って今の職場に移りました。短期でも事務職をしていたことやパソコンが使えたことがよかったようです。
事務職に受かるために、短期でも実績を作ったのが功を奏したようです。公立の保育園勤務だったので、当時の園長は教育委員会からの天下りの方だったとのことでした。円満退職だったので、コネを使って臨時の短期バイトで入れたようです。
今の職場では「やっぱり受け付け事務は、若い子がいいね」と言われているようで、多少セクハラはあるものの、満足しているとのことでした。
辛い営業職!保育士には戻らない決意があったから続いている
他業種からの転職や未経験者にも大きく窓口を開いているのが営業職です。営業職といえば、ノルマがきついことで有名ですが、保育士から営業職に転職した人はこんな話をしてくれました。
30代に入ってからの転職だったので、苦労しました。保育士としての実績はあるものの、他の実績はなし。学歴だけで見られると専門卒だったのです。「保育士以外ならなんでもいい」と受けたのが新店舗開業の営業職でした。
何の知識もないけれど、新規オープンということでイチから勉強させてもらえたので、続いています。「ここを辞めてしまったら、次はない」という気持ちで続けています。
保育士からの転職で辛いのが、保育士としての職歴があまり評価されないことです。学校の先生もそうですが、専門職は他の職種へ逃げるときに「その業界しか知らないんでしょ」と、低評価されることが多く、転職活動に苦労する人がいます。
営業職に飛び込んだこの人は、「ここがダメなら次はない」という気持ちで続けているそう。覚悟の強さが転職とその後の仕事生活につながっているようです。
保育の仕事が好きだから…理想の保育園を探している
「今の保育園にいるつもりはないけれど、保育士として働きたい」と、保育園を転職して歩く人もいます。
保育士になりたくて保育士になったので、他の業種への転職は考えていません。保育士は人手不足なので、選ばなければ仕事に困りませんが、転職のために子供たちと離れるのは辛いので、退職するときはよく考えてからするようにしています。
自分が保育をするうえで大切にしたいことをきちんとわかって転職すれば、いい園に巡り会えますよ。
自分の保育に対するポリシーと園の方針が合わずに転職をした20代の男性保育士さんのお話です。今の保育園は園の方針も同僚とも合うので転職してよかったと話してくれました。
転職のときは、保育士専門の転職エージェントを使ってじっくり転職活動をしたとのことです。転職エージェントは、園の方針や職場の様子なども情報収集ができて「とてもよかった」という感想をきけました。
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フリーランス保育士・ベビーシッターになる人も
ベビーシッターのマッチングサイトやスキル販売サイトを利用して、フリーランスの保育士やベビーシッターになる人もいます。
マッチングサイトを利用するので、お客様との交渉力や営業力が必要になってきますが、比較的高時給で自分の好きな時間で働けることに魅力を感じる人は多いようです。
関連記事:保育士でフリーランスになるメリット・デメリット!好きを仕事にして収入も上がる?
保育士を辞める前に、あなたがすべきたった1つのこと
保育士を辞めて転職活動をする前に、転職エージェントなどの転職・退職のプロに話を聞いてもらいましょう。
保育士の月収は17万円程度なので、未経験から他業種に転職したとしても給与が下回ることはまずありません。しかし、専門職ゆえに経験を活かして転職するには、専門家からのアドバイスがあった方がスムーズでしょう。
転職エージェントは、転職したい人に仕事を紹介してくれるサービスです。仕事を紹介する前に転職希望者とヒアリングをすることで、転職希望者と紹介する求人のミスマッチを防ぎ、より良い条件で転職が決まるように工夫してくれます。履歴書や職務経歴書の添削はもちろん、面接の練習や待遇や給与交渉もしてくれるので、ハローワークや転職サイトで就職先を探すよりも楽です。
保育士が利用できる転職エージェントには、保育士転職を専門にする転職エージェントと、保育士以外の業種への転職も可能な一般向けの転職エージェントの2種類あります。
保育士専門のエージェントを利用するメリット
保育士専門の転職エージェントは、保育士資格を活かした仕事を探している人にぴったりな転職サービスです。
一般向けの転職エージェントに比べて、保育士の職歴を活かした仕事が豊富なので、多くの求人の中から応募先を選ぶことができます。求人を出している保育園の雰囲気や園の方針、現在働いている人からの口コミまで用意しているエージェントが多いので、「園の方針で選びたい」「人間関係がいいところがいい」といった要求にも応えてもらえます。
一般向けエージェントを利用するメリット
一般向けの転職エージェントは、保育士以外の職種に転職したい人にぴったりな転職サービスです。
様々な経歴を持っている人の転職をサポートしているので、保育士で培った経験を活かした職務経歴書の書き方や面接アピールの仕方などを具体的に指導してもらえます。業種についても、保育士経験を活かしやすい他業種はもちろん、あなたが「こういう職種に就きたい」と考えている職種についても「例えばこういう仕事があります」と案内してもらえますよ。
関連記事:転職エージェントおすすめランキング!利用方法やメリットを徹底解説【55サイトから分析】
保育士を辞める前に準備しておきたい3つのこと
保育士を辞める前に3つのことを準備しておくと、退職からの転職活動がスムーズです。
- 3ヶ月分の生活費
- 円満退職するための根回し
- もっともらしい退職理由
受け持っている子供達の引き継ぎや、保護者への挨拶など、退職するさいにやらなければならないことで頭がいっぱいになってしまいがちですが、近い未来の自分のためにこの3つだけは忘れないでやるようにしましょう。
3ヶ月分の生活費
「仕事を辞めても失業保険があるから大丈夫」という話を聞いたことがあると思いますが、辞めてすぐに失業保険が出るのは会社都合の退職だけです。
自分の都合で仕事を辞めた場合は、失業保険が出るのは3ヶ月後からなので、退職後3ヶ月間は無給でも大丈夫なようにしておきましょう。
退職してから次の転職先が決まるまでにかかる日数も、だいたい3ヶ月程度です。3ヶ月間転職活動をして、4ヶ月目から仕事をはじめたとすると、給与が出るのは退職してから4ヶ月後です。転職期間が長引くことを考えるなら、半年分の生活費があると安心でしょう。
円満退職するための根回し
狭い地域であるほど、保育園の利用者同士のネットワークは恐ろしいものです。退職するからといって、保育園の利用者(保護者)との接し方に落差が出ないようにしましょう。
職場の同僚や上司に対する態度や仕事に対する姿勢もそうですが、「辞めるからといって手を抜いている」と思われてしまっては、あなたが不利です。あらぬ噂が立って、転職先の保育園で利用者に嫌な顔をされないようにしたいですね。
「いつ戻ってきてくれてもいいからね」と言われるくらいの円満退職が理想です。
もっともらしい退職理由
人間関係や職場の待遇に不満があって退職したとしても、それを素直に伝える必要はありません。
「そういう事情なら仕方ないよね」と言われるような建前の退職理由を用意しておきましょう。そもそも、退職理由を伝える必要さえもないのですが、退職を伝えると引き止めの面談があるのが普通です。園長や上司に呼び出されたときに、困らないようにしたいですね。
転職先との面接にも使えるようなポジティブな退職理由があると便利です。例えば、「園の方針は素晴らしいのだけど、他にもっとやりたいことができました」「資格の勉強に専念して取得してから再就職を目指したい」「どうしても他業種でやりたいことがあったので、転職したい」などの理由が考えられます。
退職してからじっくり転職活動をするときの3つのポイント
保育士を辞めるときの理想は、転職先が見つかっている状態で退職することです。しかし、仕事しながらの転職活動は、体力的にも時間的にも辛いですよね。
退職してから、じっくり転職活動をしたいというあなたのために、退職してからの転職活動で押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
- 理想を追い求めすぎない
- 離職中何をしていたか説明できるようにする
- ブランク期間があかないように注意
理想を追い求めすぎない
理想を追い求めすぎて「もっといい職場があるかもしれない」「もっといい待遇のところがきっとある」と、応募を先延ばしにしていると、転職の時期を失う可能性があります。
転職のときは、理想とする職場・待遇と最大限妥協した場合の職場・待遇のどちらも考えておきましょう。転職エージェントを利用したとしても100%理想の職場に出会える可能性は低いです。
「どこまでなら妥協できるのか」「絶対に妥協したくない点は何か」を考えながら転職先を探しましょう。
離職中何をしていたか説明できるようにする
離職期間が3ヶ月以上になる場合は、離職中に何をしていたか説明できるようにしておきましょう。
離職期間が長いと、採用面接で「離職中は何をしていましたか」と聞かれる可能性が高くなります。「体を休めていました」「転職活動をしていました」でもいいのですが、できれば、次の仕事に役立つようなポジティブな理由があるといいですよ。
ブランク期間が開きすぎないようにする
前の職場から次の職場までのブランク期間が開きすぎないようにしましょう。前の職場を辞めてから転職活動を始めたとして、再就職先が決まるまでの目安の期間は3ヶ月です。
3ヶ月以上ブランクが開く場合は、応募先の企業から「働く気持ちがないのではないか」「感情的に会社を辞めるような計画性のない人なのか」といった疑惑をもたれる場合があります。
結婚や育児、介護など、はっきりした理由で数年のブランクがある場合はいいのですが、そうではない場合は要注意です。短期退職を繰り返すのもいい印象をもたれませんが、ブランク期間が中途半端に長くても印象が悪いことを覚えておきましょう。
まとめ:保育士を辞めたいなら自分の理想と妥協できる点をはっきりさせておこう
「保育士を辞めたい」と考えたときに、参考になる転職組の先輩たちの体験談と転職活動のポイントを紹介しました。
保育士から他業種への転職は、若くても厳しいものがあるようですが、「もう保育士には戻らない」という強い意志と転職のプロによるフォローがあれば成功することが多いようです。
保育士としての理想を求めて保育園を渡り歩いている人からは、「自分の理想と妥協できる点をはっきりさせておくことが大切」ということでした。
転職活動にあたっては、最初に転職のプロに相談するのがポイントです。独りよがりで走ってしまうよりも、客観的なアドバイスがあった方がうまくいきますし、プロが持っている巨大な情報網は利用するに限ります。
相談先の一例として、保育士専門の転職エージェントと一般的な転職エージェントの2つを紹介しました。ハローワークなどの職業支援に相談してもいいですが、民間の転職サービスの方が選択肢が豊富なのでおすすめです。
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