給与計算に負担感を抱いている人は多いでしょう。
社員数が多ければ作業時間がかかりますし、税金の仕組みも複雑です。また、ミスが許されないというプレッシャーを感じる人もいるのではないでしょうか。
そこでおすすめなのが給与計算ソフトの導入です。給与計算ソフトを使うと、
「税金の計算を楽に行いたい」
「ミスを事前に防ぎたい」
といった期待に応えることができます。
本記事では、クラウド型のおすすめ給与計算ソフトを厳選して7つご紹介します。
給与計算ソフトを導入するメリットや選び方も解説するのでぜひ参考にしてくださいね。
自社に合った給与計算ソフトを導入して、給与計算にかかる業務を効率化しましょう。
給与計算ソフトとは:大きく3タイプ
給与計算ソフトは、自動で従業員の給与計算を行うシステムです。
従業員の勤怠データをもとに各種手当や税金も含めた給与を自動で算出するため、手作業よりも効率よく業務を遂行することができます。
提供形態によって大きく3つに分けられます。
提供形態 | 利用の仕方 | メリット | デメリット |
クラウド型 | クラウドサービスを利用 |
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メンテナンスやセキュリティはソフト提供元に依存 |
インストール型 | ソフトをパソコンにインストール | インターネット接続の必要がなくネット回線トラブルと無縁 | インストールしたパソコンでしか使えない |
オンプレミス型 | 自社にサーバーを置いて運用 |
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本記事では、クラウド型のおすすめ給与計算ソフトを厳選して7つご紹介します。
クラウド型の給与計算ソフトは、自社でのメンテナンスの必要がなく導入コストもおさえられるので現在多くの企業で選ばれています。
【比較】おすすめ給与計算ソフト一覧表
まずは、クラウド型のおすすめ給与計算ソフトを一覧でご紹介します。
特徴や料金を比較しながらチェックしてみてくださいね。
製品名 | 特徴 | 初期費用 | 利用料金 | お試し利用 |
スマイルワークス | 給与に関する全ての業務をカバー | 30,000円 | 月額10,000円〜 | ◯ (デモ) |
給与奉行クラウド | 専門家からのアドバイスも受けられる | 0円~70,000円 | 月額5,000円〜20,000円 | ◎ |
freee人事労務 | 給与計算と人事労務を一元化 | 0円 | 月額23,760円〜 | ◎ |
フリーウェイ給与計算 | 利用料が定額で従業員数の増減に影響されない | 0円 | 月額1,980円 | なし |
やよいの給与明細オンライン | 必要最低限のシンプル機能 | 0円 | 月額4,500円〜 | ◎ |
ジョブカン給与計算 | ジョブカンシリーズとの連携で業務効率アップ | 0円 | ユーザー1名につき 400円/月 | ◎ |
マネーフォワード クラウド給与 | 振込を含む一連業務をWebで完結できる | 要問合せ | 年額35,760円〜 | ◎ |
続いては、ソフトの特性ごとに
に分けて、おすすめの給与計算ソフトひとつずつ詳しくご紹介していきます。
おすすめ給与計算ソフト①勤怠管理システム包括タイプ3選
最初に、勤怠管理システムを包括したおすすめの給与計算ソフトを3つ紹介します。
ここで紹介する給与計算ソフトは、給与計算に限らず幅広い業務を一元管理したい企業におすすめです。
1.スマイルワークス(給与ワークス)|給与に関する全ての業務をカバー
公式サイト:スマイルワークス
- 勤怠管理から振込まで一連の流れをカバー
- 会計機能の連動がしやすい
- オンラインマニュアル+メールサポート体制あり
「スマイルワークス」は、給与計算だけでなく勤怠管理や銀行振込、社会保険関連まで給与に関わる全ての業務をカバーしているソフトです。
会計機能の連動もしやすく、給与計算の内容を財務会計機能に取り込むことが可能。同シリーズの販売ワークス、会計ワークスを合わせて利用すると、さらに業務効率化が期待できます。
オンラインでマニュアルが確認できる他、申し込み後に無料お試し期間が設けられています。疑問点等があればその後の個別相談会で解消し、安心して有償契約へ進むことができる仕組みになっていて安心ですよ。
運営会社 | 株式会社スマイルワークス |
利用料金 |
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無料プラン | なし |
お試し利用 | デモあり |
利用タイプ | クラウド型 |
こんな企業におすすめ |
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2.給与奉行クラウド|専門家からのアドバイスも受けられる
公式サイト:給与奉行クラウド
- 給与処理や保険手続きの自動化、ペーパーレス化の実現
- 専門家ライセンス付きで安心
- テレワークに対応
「給与奉行クラウド」は、給与計算や給与明細の発行だけでなく、税金の手続き、年末調整、各種帳票の出力など数々の業務を行える給与計算ソフトです。
自動入力、自動アップデートできる項目が多いため、何度も同じ内容を入力する手間が省けるのも嬉しいところ。保険手続きは電子申請も可能なので、社内で届け出を完了することができますよ。
また、サポート体制の手厚さも魅力。Webでは24時間質問の受付が可能で、電話やリモートサポートなども充実しています。
特徴的なのは専門家ライセンスが付いてくる点。専門家ライセンスを社会保険労務士等に提供しておけば専門家から直接アドバイスをもらうことも可能です。
運営会社 | 株式会社オービックビジネスコンサルタント |
利用料金 |
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無料プラン | なし |
お試し利用 | あり(30日間) |
利用タイプ | クラウド型 |
こんな企業におすすめ |
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3.freee(フリー)人事労務|給与計算と人事労務を一元化
公式サイト:freee人事労務
- 労務管理を一元化
- ミスの起こりやすい転記作業をカット
- 企業の規模に合わせたプラン設定
「freee人事労務」の特徴は、給与計算と労務管理が一元化していること。
給与計算のほか勤怠管理、年末調整といった機能だけでなく、入退社の手続きやマイナンバーの管理まで行うことができます。
情報をデータで共有するため転記作業がなくなり、合わせてペーパーレス化も実現。ミスの減少やコストダウンにつなげています。
プランが複数あるので、企業の規模や必要な機能に応じて選びましょう。
運営会社 | freee株式会社 |
利用料金 |
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無料プラン | なし |
お試し利用 | あり(30日間) ※従業員20名以下の場合のみ |
利用タイプ | クラウド型 |
こんな企業におすすめ |
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おすすめ給与計算ソフト②給与計算特化タイプ2選
高度な機能は必要ないという場合は、給与計算に特化した給与計算ソフトがおすすめです。
給与計算に必要な機能だけで良いのでコストをおさえたい企業に最適ですよ。
それでは、給与計算特化タイプのおすすめ給与計算ソフトを2つ紹介しますね。
1.フリーウェイ給与計算|利用料が定額で従業員数の増減に影響されない
公式サイト:フリーウェイ給与計算
- 無料版なら無期限で多機能を利用可能
- 有料版ならサポートも充実
- 出力できる帳票の種類が豊富
「フリーウェイ給与計算」は、従業員が5名以下であれば無料かつ期間の制限なく利用できる給与計算ソフトです。
年末調整に対応できる上、支払調書など各種帳票の出力もできるので、コストパフォーマンス抜群。
一方、有料版は従業員数に制限がない他、電話やメールによるサポートが受けられます。
利用料は定額なので、従業員数の増減に影響されることもありません。
運営会社 | 株式会社フリーウェイジャパン |
利用料金 |
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無料プラン | あり 5名まで |
お試し利用 | なし(無料プランから有料プランへの変更は可能) |
利用タイプ | クラウド型 |
こんな企業におすすめ |
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2.やよいの給与明細オンライン|必要最低限のシンプル機能
公式サイト:やよいの給与明細オンライン
- 必要な機能だけをシンプルに搭載
- 簡単操作で初めての利用も安心
- サポート体制、セキリュティ対策も万全
専門知識がなくても簡単に操作できるやよいの給与明細オンライン。
給与計算、明細書の作成、台帳へのデータ反映という必要最低限の機能だけを搭載していて、低コストで利用できるのも嬉しいポイントです。
従業員10名以下の企業で使える「プラン10」、30名以下の「プラン30」が用意されていますが、いずれもサポート体制は万全。さらにセキリュティセンターは日本マイクロソフト株式会社なので、安全面も高いです。
運営会社 | 弥生株式会社 |
利用料金 |
※制限人数を超える場合:1人あたり月額費用 200円 |
無料プラン | なし |
お試し利用 | あり(2カ月間) |
利用タイプ | クラウド型 |
こんな企業におすすめ |
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おすすめ給与計算ソフト③サービス同士の連携充実タイプ2選
最後に、
- シリーズ化されている
- API連携がしやすい
- 外部サポートがある
といった、サービス同士の連携が充実しているおすすめの給与計算ソフトを2つご紹介します。
自社内に既存のサービスはそのままに、必要なサービスを追加して使いたい企業におすすめです。
1.ジョブカン給与計算|ジョブカンシリーズとの連携で業務効率アップ
公式サイト:ジョブカン給与計算
- 給与計算から帳票出力まで様々な機能を網羅
- ジョブカンシリーズで連携しやすい
- 充実したサポート体制
ジョブカン給与計算は、ジョブカンシリーズの中のひとつ。
ジョブカン勤怠管理、ジョブカン労務管理などのジョブカンシリーズと連携させることで業務を格段に効率化できます。
給与明細の発行や年末調整など様々な書類や帳票にも対応しているのに、従業員5名までは無料で利用できるというコストパフォーマンスの良さも魅力。
ただ、ユーザー1名ごとに月額課金される仕組みなので、大規模会社の場合はランニングコストが高くなる可能性があります。
お試し期間中や導入後にサポートが受けられるのも安心です。有料版ではチャットサポートにも対応しており連絡しやすいですよ。
運営会社 | 株式会社Donuts |
利用料金 | ユーザー1名につき 400円/月 |
無料プラン | あり 5名まで ※一部機能制限あり |
お試し利用 | あり(30日間) |
利用タイプ | クラウド型 |
こんな企業におすすめ |
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2.マネーフォワード クラウド給与|振込を含む一連業務をWebで完結できる
公式サイト:マネーフォワード クラウド給与
- 初めてでも使いやすい設計
- 外部サービスとの連携幅が広い
- 必要な機能をシンプルに備えている
マネーフォワードクラウド給与の魅力は、使い始めの設定項目がたった5つで良いところ。
Web上でガイドが確認できるので、給与計算ソフトの利用が初めての方でも安心です。
外部サービスとの連携がしやすく、API連携・CSV連携できるサービスが豊富です。
銀行とも連携しており(※三井住友銀行、みずほ銀行)、給与計算が完了したら振込ボタンを押せばOK。
給与明細もWebで発行できるため、給与に関するすべての流れがWeb上で完結します。
運営会社 | 株式会社マネーフォワード |
利用料金 |
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無料プラン | なし |
お試し利用 | あり(30日間) |
利用タイプ | クラウド型 |
こんな企業におすすめ |
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給与計算ソフト導入のメリット3つ
給与計算ソフトを導入すると、導入コストやランニングコストがかかります。
ですが、そのコストを上回るだけのメリットが十分にあります。
どういったメリットがあるか大きなものを3つご紹介します。
1.業務の効率化につながる
業務効率化は、給与計算ソフト導入後にすぐに実感できるメリットのひとつ。
従業員それぞれの時給など、給与計算に必要となる情報をあらかじめ入力しておけば、すぐに給与を計算することができます。
給与計算ソフトを導入した方の口コミには「作業工程が少なくなった」「作業時間が大幅に減った」といった声が多くあります。
煩雑な税金の計算も楽になりますし、システムによる自動計算なのでミスもほとんどありません。
2.法改正への対応がしやすい
社会保険や税金については法律で定められており、法律が改正されれば企業の給与計算方法も見直す必要が出てきます。
その際、これまでは担当者が法律を正しく理解し、改正内容を給与計算に落とし込まなければなりませんでした。
一方、クラウド型の給与計算ソフトを使うと法改正による計算式の変更は自動で行われます。インストール型のソフトであってもバージョンアップすることで対応できます。
3.人を選ばずに仕事ができる
これまでの給与計算には多くの専門知識が必要であり、担当者をある程度固定していた企業も多いはずです。そのため異動の際に頭を悩ませたこともあったのではないでしょうか。
その点、給与計算ソフトなら使い方さえ理解すれば誰でも給与計算ができるようになります。専門知識があまりなくてもミスなく計算ができるので、担当者を固定する必要がなくなります。
給与計算ソフトとExcelの違い
「計算ならExcelでもできるのでは?」と感じた方もいるかもしれません。
「これまで給与計算をExcelで行っていた」あるいは「これからExcelを使って給与計算をしていきたい」という企業もあるでしょう。
Excelの良い点は、多くの場合日常業務で使っているため、新たに給与計算のためのコストをかけなくて済むところ。使い慣れているため安心感もありますね。
一方で、
- 計算式を自分で組まなければならない
- 法改正に自力で対応しなければならない
という点は大きな課題です。
Excelを使うと自動計算は可能ですが、そのための計算式は手動で入力する必要があります。また、法改正の際にはその計算式を適切に変更しなければなりません。
したがって、どうしてもヒューマンエラーが起きやすい状態になりますし、負担に感じる担当者が出てくる可能性はあります。
給与計算ソフトを使えば、上記の問題はすぐに解決することができます。ミスが許されない分野だからこそ、担当者・従業員共に安心して働けると良いですよね。
給与計算ソフトの選び方4点
数多くの給与計算ソフトがありますが、企業によって合うソフト・合わないソフトがあります。選ぶ際のポイントを4つご紹介するので、参考にしてください。
①勤怠管理システムとの連携
給与計算をする上で、勤怠管理の情報は必須です。そのため、これまで手動で勤怠管理を行っていた企業であれば、これを機に勤怠管理システムを包括した給与計算ソフトを選ぶのも良いでしょう。
あるいはすでに勤怠管理システムを導入している場合、そのシステムと連携可能な給与計算ソフトを選ぶと、スムーズに導入することができます。
②必要機能の範囲
給与計算と一口に言っても、ただ計算ができれば良いのか、労務管理も含めるのか、年末調整も行うのか等、企業によって求める範囲が異なります。
給与計算ソフトにも給与計算に特化したタイプ、人事労務にも対応できる人事給与タイプ、さらに幅広い業務内容をカバーできるERPタイプがあるので、どのタイプが必要なのか確認しておきましょう。
③料金体系
多くの場合、従業員数によってかかる料金が異なるので、自社の人数と照らし合わせてプランの検討を行ってください。
また、季節雇用の従業員が多いなど、年間で従業員の数に変動がある場合は、利用した人数分だけ課金されるシステムが良いでしょう。
④サポート体制
新しいソフトを導入した場合、分からないことや困ったことが出てくるのは当然です。その際に自力で調べるだけでなく、すぐ質問に対応してもらえる環境があると安心ですね。
チャット形式でいつでも質問対応が可能なのか、それとも決まった時間内に電話しなければならないのか等、ソフトによって違いがあります。
まとめ
毎月必ず行わなければならない上、ミスが許されない給与計算。
税金や保険料などの仕組みは複雑で、担当者への負担も大きくなりがちです。
給与計算ソフトを使えば、計算がぐっと楽になるのはもちろん、ペーパーレス化や業務の一本化など様々な効果を出すことも可能です。
もちろんある程度のコストはかかる場合が多いですが、自社に合ったソフトを選べばコストを上回るメリットを十分に感じられますよ。
ぜひ給与計算ソフトを使って毎月の負担を軽くし、業務効率を上げていきましょう。