初めてでも分かる請求書の書き方&おすすめの請求書作成サービス

フリーランスや個人事業主・副業で仕事をしている人にとって、「請求書作成」は必須の業務となります。簡単に見える請求書作成も、マナーやルールが存在します。

今回は、請求書の書き方・注意点についてご説明します。

後半では、請求書が簡単に作成できるWebサービスも紹介しています。

請求書の書き方①必要な項目・記入項目

請求書を作成する際には、以下の項目が最低限必要になります。

  • 自分の名前・住所
  • 請求日
  • 支払い期限(請求日が対応月の月末、支払い期限が請求月の翌月末が多いです)
  • 請求金額・取引詳細(多数の内容を受けている場合は、項目と金額を細かく分けて請求する方がクライアントにも見やすい請求書となります。)
  • 請求先名称(クライアント社名・担当者名)
  • 小計・消費税・合計
  • 振込先(振込手数料は振込側に負担いただく場合はその旨も記入することを忘れずに。)

自分の名前・住所

基本的には本名を記載。法人や屋号がある場合はそちらでもOK。
住所は届け出と同じ住所ほうがいいです。

請求日

請求書を発行した年月日ですね。基本的には月末になるかと思います。
あとから見返す際にも役立つので、正しい日付を記載しましょう。

支払い期限

クライアントに振り込んでもらう期限を記載します。
月末請求で翌月末払いが多いですが、事前に双方でしっかりと取り決めましょう。
(例えば、月末が土日であれば、その手前の営業日にするなどの対応も必要です。)

請求金額・取引詳細

基本的には、複数あればそれぞれ項目欄に別々で記載します。
また、双方にとってわかりやすいように、できるだけ具体的に書きましょう。

請求先名称

クライアントの情報ですね。
社名(前株後株)や住所、担当者名は間違いのないようにしっかりと確認しましょう。
また、担当者名は、やりとりをしていた方ではなく、代表や経理などの取り決めがある場合もあるので、事前に確認するようにしておきます。

小計・消費税・合計

請求金額や計算が間違いないようにしましょう。消費税については、8%で計算します。
また小計・消費税・合計はそれぞれ分けて記載しておくと相手に親切です。

振込先

振込先を指定します。
銀行名や支店名、口座番号を間違えないように気をつけましょう。
また、できれば口座名義をカタカナなどで記載しておいたほうが間違いが少なくなります。
振込先に下に「振込手数料はご負担をお願いします」と記載しておきましょう。

請求書の書き方②:法律上必要ないけど他にあった方がいい情報

必須ではありませんが、あるとよいものは以下の項目になります。

  • クライアント先住所
  • 請求書番号
  • 請求書の発行日
  • 捺印

クライアント先住所

クライアント先住所は、PDFでいいと言われたが後から郵送して欲しいと言われた時に便利なので登録しておきましょう。

また、FAXやPDFだけで送る場合には「インターネットを通じた取引による課税仕入れであること及び課税仕入れの相手方の住所又は所在地を記載しておくと仕入税額控除の適用を受けることができる」のでよほどの理由がない場合以外は記入しておきましょう。

請求書番号

特に請求書番号・請求書の発行日は管理の際に便利です。数年請求書を発行し続けると管理が複雑になるので、余力があれば探しやすくする仕組みを作っておきましょう。

フリーランスでも確定申告や税金関係の依頼を外注する場合にも、この番号がついていると依頼が楽になることがあるので設定しましょう。ちなみに請求書作成ツールを利用すると自動で設定されるのでおすすめです。

請求書の発行日

後から発行日を確認される場合が’あるため、基本的には記載しておきましょう。(相手が入金の際に確認する場合があるためです。)

また、請求書を作成した日付で書く方が多いですが、先方の締め日に調整して記載することの方が多いため先方にチェックすると良いでしょう。

捺印

捺印に関しては、請求書は「請求する」という行動自体が必須ではないため(口頭でお互いが納得していれば発行の必要はない)捺印も必須ではありません。ただ、捺印しておくことは証明にもなるのでトラブルを避けるという点からも対応しておいて損はありません。

請求書の保存期間・消費税について

請求書を含む証憑書類の保存期間は7年間となっています。平成16年に法改正があり、それ以前は会社の規模次第で5年でも問題ないケースがありましたが、現在は個人法人・規模感問わず7年間保持が義務化されています。

なお、請求書保存期間のスタート地点は法人税申告期限日となります。請求書の請求日がスタート地点と思っている方がいるので、「法人税申告期限日」としっかり覚え、保存期限があるにも関わらず書類を破棄することのないようにしましょう。

請求書サンプル・テンプレート

クラウドツールを利用すると請求書サンプルは簡単に手に入りますが、Excelで作成したい場合もあるかと思います。その時は、以下の無料請求書サンプルを利用して作成しましょう。

https://invoice.moneyforward.com/templates/billings

https://template.the-board.jp/invoice_templates

よほど細かいルールのあるクライアントでなければ、請求書はExcelサンプルレベルのもので全く問題ありません。

請求書サンプル・テンプレートの注意点

最近ではExcel管理で請求書を発行する人も減ってきました。理由としては、PCを紛失した時に元データがない危険性があるためです。

昔の文化であれば郵送文化があったので、紙でも請求書を管理しておりましたが今ではPDFで請求書を送っても問題ないケースが増えてきたのでPDFで送ったまま、管理をしていないといつのまにかデータが見つからなくなり「あれ、確定申告で計算したいのに請求書がない…。」ととても困る事態になってしまいます。

テンプレートを使うのは安く済んでいいことですが、最近では無料で使えるクラウド請求書サービスもあるので、それを使ってリスク管理を行うのも1つの手だと言えます。

請求書を書く目的・郵送は必要なの?PDFでメール送信ではダメなの?

請求書を発行する目的

請求書を発行する目的は、「クライアントと自分に、請求をする取引があったことの証明」「税務調査での証拠」として必要になるためです。義務ではありませんが、発行することで自分を守ることにも繋がりますので必ず発行しましょう。

郵送orメールで送信

請求書の原本も合わせて郵送しなければいけないという決まりはなく、必須ではありません。そのため郵送が求められていなければPDFデータでメールに添付し送信すれば、クライアント側でも処理ができるので問題ありません。クライアントによっては、会社のルールとして押印のない請求書は受付できない場合があるため電子印鑑を利用し押印した請求書をPDFで送りましょう。

個人事業主の場合は、認印で対応すれば問題ありません。

請求書をメールで送る場合の例文

件名:【ご確認ください】20◯◯年◯月請求書のご報告
◯◯株式会社
◯◯様

いつも大変お世話になっております。
●●株式会社の斎藤です。

「サイト制作(url:example.com)」の請求書をメールにてお送りさせて頂きます。
ご確認いただき、内容に問題がなければ期限日までにお振込いただきますようお願い致します。

請求金額:●●円
お支払期限:20◯◯年◯月◯日

ご質問・ご不明点ございましたらお気軽にご連絡ください。
引き続きよろしくお願い申し上げます。

請求書をメールと郵送で送る場合の例文

件名:【ご確認ください】20◯◯年◯月請求書のご報告
◯◯株式会社
◯◯様

いつも大変お世話になっております。
●●株式会社の斎藤です。

「サイト制作(url:example.com)」の請求書をメールにてお送りさせて頂きます。
*郵送でもお送りしておりますので、二重払いのないようにご注意ください。
ご確認いただき、内容に問題がなければ期限日までにお振込いただきますようお願い致します。

請求金額:●●円
お支払期限:20◯◯年◯月◯日

ご質問・ご不明点ございましたらお気軽にご連絡ください。郵送だけで問題ない場合はその旨ご連絡いただければ来月より対応いたします。
引き続きよろしくお願い申し上げます。

請求に対する未払いの注意点

「請求を受けていないので払いません」そう言われてしまった時には、注意が必要です。

クライアントが「請求はされていません、払いません」と主張してきた場合、メールだと証拠としては不十分となってしまう可能性があります。もしそのような主張を受けた際には、双方の話し合いの機会を設け、それでも解決しない場合は、「請求書の未回収の事実を証明するために、内容証明書を郵送」という対応を行いましょう。その件が解決後もクライアントと引き続き仕事をする際には、配達証明を利用して必ず郵送で請求書を送るようにしましょう。

自作の請求書を送った際の失敗例

自作で作った請求書は以下のような失敗をするケースがあります。

  • 計算/金額上ミス
  • 税金のミス
  • 条件の記入ミス
  • 管理のミス

それぞれ失敗するとクライアントからの信頼を勝ち取ることが難しくなるため、発行の前にチェックするようにしましょう

計算/金額上ミス

金額のミスは打ち間違いにより、過剰に請求したり請求額が足りなかったりするケースがあります。どちらにしろ相手に改めて対応をお願いしないといけないため、大企業の場合はかなり嫌な顔をされるケースもあります。

必ずサボらず二重チェックをするようにしましょう。月額固定の請求書発行が面倒な人は、請求書作成サービスについている毎月自動請求ツールを利用すれば月末に勝手に発行されているためミスが起こりづらいです。

税金のミス

消費税の計算をミスしていたり、入れ忘れているケースです。基本的には請求して問題ないので、税率を掛け合わせたものを請求すれば良いのですがExcelで作っている方は関数がうまく入っておらず請求を間違えてしまうというリスクがあります。

案件が多くなったらクラウドサービスを利用するようにしましょう。自動算出なのでミスを防ぐことができます。

条件の記入ミス

振込手数料を依頼する場合には、「手数料はご負担ください」と記載しておく必要がありますが書いていない場合会社によっては振込手数料を引いた額振り込まれたり、源泉徴収対応されているケースもあります。源泉徴収についても対応されたくない場合は、その旨記載の必要があります。

毎回入れるのが面倒な方は、備考欄に自動で入るように仕組みを作っておきましょう。

管理のミス

ツールなどを使わずにExcelやその他ローカルツールで請求書を発行する際の一番の問題点は「PCを紛失したら書類が全部消えてしまう」ということです。これは、確定申告や書類保存義務がある場合には死活問題となるので、天災や盗難などで消えるリスクがないようにしておく必要があります。

請求書を発行したらドライブに保存する・オンライン請求書サービスを利用して常にクラウド管理しておくなど、いつでもどこでも請求書にアクセスできる仕組みを作るようにしましょう。

請求書を作成する際に便利なサービス

請求書を作る際には、Excelやスプレッドシートなどで作成することも可能ですが作成の際にコピーを生成しないといけなかったり、データを保存する管理の手間がかなりかかります。そこで、ぜひ利用してみて欲しいのが「クラウド管理型の請求書作成ツール」です。

一番おすすめは「MISOCA」

MISOCAは、無料でも利用できるクラウド会計ツールです。無料で5つまで作成できるため、クライアントが数社しかいない方はこちらがおすすめです。管理画面のUIも綺麗でわかりやすいです。

プラン

無料 月間5通無料で作成可能
プラン15(月800円) 月間15通まで可能
プラン100(月3000円) 月間100通まで可能
プラン1000(月10000円) 月間1000通まで可能

請求書作成サービス「Misoca(みそか)」

MFクラウドユーザーは「MFクラウド請求書」

MoneyForwardの運営しているクラウド請求書サービスです。
クラウド会計ソフトである「MFクラウド」を利用している方は、請求書サービスと連動できるのでとても便利。
また、労務や確定申告なども一括で対応できるので、確定申告もめんどくさいという方は、MFクラウド請求書を利用し一括管理しましょう。

プラン

フリー(無料) 取引登録者数3件
スターター(月500円) 取引登録者数15件
ベーシック(月2,980円) 取引登録者無制限
プロ(月5,980円) 取引登録者無制限 CSV機能あり
エンタープライズ(月12,980円) 取引登録者無制限 自動消込機能あり

請求書作成ソフト「MFクラウド請求書」

みつもらー


みつもらーは今回ご紹介してい中でも基本的な機能なら最安です。プレミアムプランでも年間5000円なので月々は約416円です。416円で、見積書・請求書作成無制限のプランを利用することができます。

登録が面倒な向けにFacebookログイン機能も実装されています。

プラン

無料 見積もり作成無制限・保存10件まで
プレミアムプラン(年間5000円) 見積もり作成無制限・保存無制限

»

ツカエル見積書・請求書オンライン


スマホでも見やすいツールがこのツカエル見積書・請求書オンラインです。タブレットでも簡単に操作ができるので出先で作業することが多いフリーランスや個人事業主の方にはおすすめです。

プラン

Freeプラン 30日間のご利用 無料
Stdプラン(月500円)請求書・見積書作成上限なし
Proプラン(月1000円)請求書・見積書作成上限なし 請求残高表・得意先元帳機能あり

»

bankinvoice


bankinvoiceは、受け手が登録不要で双方向でやり取りできるツールです。紙の請求書ではなく、クラウドツールのため請求書の受取手も依頼者がどこまでの業務を進めたかがすぐわかるようになっています。

プラン

記載なし。

» https://www.amadellas.com/

board


boardは、見積書・請求書だけではなく周辺業務の効率化まで考えられたツールです。「2営業日前・当日・3営業日後」など任意の複数のタイミングで通知できるタスク通知があるため、忘れがちな業務も漏れがなく進めることができます。

プラン

Personal(月980円)ユーザー数1 登録データ量:制限なし
Basic(月1,980円)ユーザー数3 登録データ量:制限なし
Standard(月3,980円)ユーザー数15 登録データ量:制限なし
Premium(月5,980円)ユーザー数50 登録データ量:制限なし

» https://the-board.jp/

請求管理ロボ

請求管理ロボは、今までExcelと手作業管理で行っていた、請求・回収・催促の作業を全て自動化し、請求管理業務にファイル・システム管理をを1つの画面でまとめて操作できるクラウドサービスとなります。今まで手作業で一生懸命まとめていた方におすすめです。

他のツールとの違いは、銀行振込・口座振替・クレジットカード・コンビニ課金など多様な決済手段を一元管理可能できる点です。クレジットカードやコンビニ課金も対応できるため、多くの会社で利用できると思います。

プラン

初期費用+月額費用 (詳細は問い合わせ後確認可能です。)

» https://www.robotpayment.co.jp/service/mikata/

Zoho Invoice

自動リマインダ機能や分かりやすいレポートで、簡単に経費管理を行うことができ多くの会社に愛されている請求書サービスです。

G Suite、Paypal、Google Drive、Dropbox、One Driveなどの大手ツールと連携できるので包括的な管理が可能になります。またアプリもあるので外でも気軽に管理することが可能です。

プラン

無料プラン $0 - 最大顧客数5人 1ユーザー限定
ベーシック$ 7 - 最大顧客数50人 1ユーザー限定
スタンダード$ 15 - 最大顧客数500人 3ユーザー限定
プロフェッショナル$ 30 - 最大顧客数無制限 10ユーザー限定

» https://www.zoho.com/invoice/

まとめ

フリーランスや副業で仕事をしている方にとっては、請求書作成は重いタスクです。忘れてしまうようなことがあれば、その月の入金が減ることになります。

お金の絡むことはもめることも多いので、契約をする際には「請求日はいつにすれば良いか」「振込は請求日からいつになるか」は最低限相談し、情報の可視化を行っておくようにしましょう。