アイデアソンとは(意味)
アイデアソン(Ideathon)とは、アイデア(Idea)とマラソン(Marathon)を組み合わせた造語で、特定のテーマについてグループに分かれてアイデアを出し合い、新しいサービスや企画、または課題に対する解決策を、数時間という短い時間で出していくワークショップ型のイベントです。
2013年頃からIT業界で話題になり、最近では経済産業省や自治体、TBSやローソン、富士通といった行政機関や大手企業の間でも行われるようになり、注目を集めている手法です。
ポイントとしては、特定のテーマに興味関心があれば、誰でも参加できるという参加のハードルが低く、アイデアソン自体が数時間の短い時間で行えることです。
バックグラウンドが違った様々な人が参加するため、普段なら思いつかないような斬新なアイデア、課題に対する予想外の解決策が生まれるなど、未知なアイデアが生まれやすいこともこのアイデアソンの魅力の1つです。
そこで、今回はアイデアソンの流れを順次説明いたします。
アイデアソンの目的
アイデアソンを始める前に、運営者はこのアイデアソンを行う目的を決定しなくてはなりません。
テーマの設定に近いものですが、このアイデアソンでどんな新規事業を生み出したいのか、何の課題を解決したいのかなど、最終的なゴールを明確にする必要があります。
また参加する人への配慮も必要で、参加者にがどのようなことを考えてもらうのがよいか、出てきたアイデアが実際に実行されることがよいのかなど、まずは最終的なゴールを決めましょう。
アイデアソンのやり方&進め方
続いて、アイデアソンを行うにあたっての流れを説明いたします。
テーマの設定
1.既存分野とITでの新分野開拓
2.新規分野の新開拓
3.課題解決
4.知識の習得・共有
5.分野・文化の周知や共有
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アイデアソンのテーマ決定は、基本的にはこの5つの分野に分類されます。最近のアイデアソンの流行りからいえば、スポンサーとして企業が参加することが多いため、大手企業が既存に扱っている分野の事業とITの組み合わせで新規事業を考えるのが人気です。
今回は、例としてテーマを「災害が起きた時に行動をサポートする方法」と設定したとします。
この場合は3の「課題解決」になります。
課題解決型のスポンサーとしては非営利法人(行政・一般法人)の開催型が人気で、地域の課題解決のテーマが多くみられます。もしも自分たちでアイデアソンを行う場合は、そういった非営利法人などにコンタクトを取ってみるのもよいでしょう。
今回の「災害が起きた時に行動をサポートする方法」をテーマにした場合、災害が起こってすぐの頃は様々な情報がネット上に溢れ返り、どの情報が正しいのかかがわからなくなることが予想されます。
そんな時に「落ち着いて行動するための支援ツール」「被災者のための支援ツール」をアイデアソンで生み出すことが、今回の解決アイデアの方向性となります。
「テーマ ▷ 課題 ▷ 解決アイデアの方向性」という流れで全体の構成を組み立てていきます。
ブレインストーミング
テーマが決定したところで、参加者はそのテーマの課題を解決するための「解決アイデア」を考える段階に移ります。そのときにチームとしてアイデアを出すのに役立つのがブレインストーミングという手法になります。
ブレストのルールや進め方に関してはこちらをご確認ください。時間は主催者によって自由ですが、1時間〜2時間くらいが平均的な時間となります。24時間ぶっ通しで行うイベントもありますが。
記入(アイデアスケッチ)
次にチームごとに上記のブレストで大量に出たアイデアを、A4くらいのアイデアスケッチに記入していきます。
一人ずつ発表していき、チームの代表の人が随時まとめていきます。まとめるポイントとしては、全員のアイデアを取り入れること、似たアイデアがあればカテゴリにわけることなどが挙げられます。
アイデア絞り込み&投票
次にスケッチブックにまとめたアイデアの中から、チーム内でさらにアイデアを検討していき、最終的な1つのアイデアに決定します。
これはチーム内で投票して決めることが一般的な決定方法となります。
ブラッシュアップ
次に、1つに決定したアイデアをブラッシュアップする段階です。チーム内で決定したアイデアの実現可能性を高めるために、アイデアに肉付けしていきます。
こちらもさきほどのようにブレストのように広げていきます。ただ、ブラッシュアップの段階なので、アイデアを収束させる必要があります。アイデアスケッチにメモをとる人は引き続き、でたアイデアに関連性があれば紐付けていきます。
発表
最後にチームごとに発表を行います。
発表する人をチーム内で決定し、プレゼンを行います。発表する時間は大体1チームあたり3分程度になるので、そのアイデアで1番伝えたいポイントはどこかなど、要点をきちんと伝えられるようにまとめておきましょう。
最終的には、各チームの投票で全体の優勝アイデアを決定します。
運営者は発表の前に、プレゼンを聞いた人々の全体の投票数によって優勝が決まるということを参加者に伝えましょう。事前に告知することによって、アイデアソンの発表を聞く人たちのモチベーションを上げることができます。
アイデアソンを成功させるポイント
アイデアソンを始めるまえに、参加者に対してテーマの共有、ルールの説明が大切です。
今回でいう「災害が起きた時に行動をサポートする方法」がテーマであれば、災害が起こってすぐの頃は情報の信憑性が問題になることが考えられるので、その具体例などを事前に共有しておきます。(Twitter上ではこんなデマが流れて問題になったなど)
テーマに関する情報のインプットがあるかないかで、でてくるアイデアの質が大きく変わってきます。テーマが決まった段階で参加者にテーマに関する情報を共有しましょう(こちらは事前にメールなどで共有するとよいでしょう)。
最後に
いかがでしたか?
最近ではIT企業ばかりでなく行政機関でも取り入れられる手法なので、アイデア出しの手法として一度試してみてはいかがでしょうか。