フリーランスの人口が年々増えていく中で、デザイナー職からフリーランスに転身する人も少なくありません。
しかしながら、他のジャンルと比較するとフリーランスデザイナーは生計を立てるのが難しいと言われがちです。
フリーランスはかなり自由な働き方で、上手く波に乗り切れば会社員以上に稼げる可能性を秘めている働き方です。
ライフワークバランスも取りやすいので、この記事を参考にしぜひトライしてみてくださいね。
フリーランスデザイナーという働き方
フリーランスデザイナーとしての働き方には、主に2つのタイプがあります。
- イラストレーター
- DTP・グラフィックデザイナー
フリーランスデザイナーと一言でいってもその中身は多種多様で、人によってはイラストレーターとして活動していたり、DTP・グラフィックデザイナーとして活動していたりと様々です。
それぞれ役割や行うことが違いますので、1つずつ解説していきますね。
フリーランスデザイナーの働き方①:イラストレーター
フリーのイラストレーターとして働く人は少なくありません。
しかしながら、しっかりと稼げている方はそれほど多くありません。クラウドソーシングサイトやココナラなどのサービスをご覧になった方はご存知かもしれませんが、その単価はかなり安めになっています。
デザインやイラストというのは、プログラミングやライティングと違ってアートの分類なので正解がなく、クライアントとのやりとりも複雑で難しい部分もかなり多いですね。
加えて、イラストレーターの仕事は単発の場合が多いため、継続した案件を取得するには営業スキルがないと難しいでしょう。
フリーランスデザイナーの働き方②:DTP・グラフィックデザイナー
DTPとは「Desk Top Publishing(デスクトップパブリッシング)」の略語で、私たちがよく見るペーパー広告や雑誌、書籍のデザイン、ポスターなどをパソコンを使って制作する仕事です。
また、グラフィックデザイナーとは、写真・動画・絵画・イラスト・文字等を制作する方のことを指します。
“デザイナーさん”というと、多くの方がこの「DTP・グラフィックデザイナー」の仕事をイメージするかもしれませんね。
中には、イラストレーターと兼業してDTP・グラフィックの仕事も行う人もいますが、それぐらい仕事の幅がないと継続してフリーで稼ぐのは難しいので、できればどちらも広く浅くで良いので出来る方が良いでしょう。
フリーランスデザイナーの相場と平均年収
さて、誰もが気になるのは「果たしてフリーランスデザイナーは稼げるのか?」ということですよね。
実際にクラウドソーシング大手であるクラウドテックの調べによると、フリーランスデザイナーの平均年収は30代で300〜400万円が3割程度となっています。それ以外の人たちは平均年収100万円以下だったり、逆に1000万円以上稼ぐ方もいたります。
フリーランスデザイナーは、基本的なデザインスキルを備えているのはもちろんのこと、大きく稼ぐには、ディレクションやマネジメントなどの能力がないと難しいでしょう。
グラフィック・Webデザインの一般的な案件や報酬には、
- バナー作成:5000円~
- ロゴ作成:1万円~
- Webデザイン:デザインのみ5万円~、コーディング含む10万円~
- チラシデザイン:2万円~
といったものがあります。
会社で雇われているデザイナーと比べると、フリーランスデザイナーに与えられた裁量権は大きく、どこまで自分で仕事として行えば良いのか決めづらいのも稼げない原因の一つとして挙げられます。工数管理が他の職種と比べて難しいのが難点ですね。
フリーランスデザイナーになるための方法
フリーランスデザイナーになるための手段には、大きく2つの方法があります。
- デザイン会社でインハウスデザイナーとして一時働き、その後フリーランスとして独立する(一般的なパターン)
- 全くの初心者から独学で実績を作り、フリーランスとして独立する(少し珍しいパターン)
ただし、どちらの道も未経験からの独立はデザイナーとしてはかなり険しい道だということを肝に命じておいてください。
1.インハウスデザイナーとして働いた後、独立する
こちらは一般的なパターンです。一度デザイナーとして会社に所属して、インハウスデザイナーとして働きます。
未経験からでも会社の先輩が1から仕事の仕方を教えてくれますし、独立しても前の会社の取引先と仲良くしておくと案件をもらうことができる場合もあります。
安定してフリーランスとしての下積みができるのがメリットですが、「フリーランスとして独立」するまでに時間がかかるのがネックです。
また、会社に入る、辞めるなどがストレスになる場合もあります。全ての方がストレスを感じるとは限りませんが、実際にそういった方もいるので可能性が0というわけではありません。
独学で実績を作り、フリーランスとして独立する
こちらは少し珍しいパターンです。独学でクラウドソーシングなどで案件を受注しながらフリーランスとして独立していく方法です。
はじめから会社に所属していないフリーランスとして活動していくことになりますが、食い扶持を稼げるようになるにはかなりの努力をする必要があります。
また、他の会社で働きつつ、副業として軽い案件を受注しながら自信がついたら独立するという方法もあります。
ただ、何もしなくても案件が舞い込んでくることはないので、SNSで自己発信をしたり営業をしたりなどデザイン力以外のスキルも身につける必要があります。
フリーランスデザイナーが仕事を探す際に役に立つサービス5選
フリーランスデザイナーが仕事を探す際に役に立つサービスを5つ厳選したのでご紹介しますね。
未経験からフリーランスデザイナーを目指している方や、今はデザイン会社で働いているけれどフリーランスの道を考えていて「副業」として活用したい方に特におすすめのサービスです。
サービスのプラットフォームを活用することで簡単に仕事が受注できることもあるので、営業が苦手な方にもおすすめです。
おすすめのサービス①:ITプロパートナーズ
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“自立した人材を増やし、新しい仕事文化を作る”ことをモットーに、サービス提供を行っている「ITプロパートナーズ」。
週2日から働ける案件を提供していて、ITに特化した案件が充実しています。
デザイナーの仕事も数多くあるので、駆け出しのフリーランスデザイナーの方でも気軽に利用可能。
勉強会なども行っているのでスキルや知識に自信のない方はそちらもご利用ください。
利用価格 | 無料 |
- 企業でインターンとして働きスキルや知識を蓄えたい方
- 駆け出しフリーランスの方
- 短い期間での案件を探している方
関連記事:ITプロパートナーズの口コミ・評判を分析!週2・3日案件は本当にあるの?メリット・デメリットまとめ
おすすめのサービス②:クラウドテック
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「クラウドテック」は、リモートワークや週3・週4と様々な案件が受注可能な、フリーランスのキャリアサポートをしてくれるサービスです。
クラウドソーシングとして有名な「クラウドワークス」のフリーランス支援に特化したサービスで、案件の多さに定評があります。
デザイナー案件も豊富に揃っており、1案件あたりの単価が高めなのでしっかりと稼ぐことができます。また、案件を受注すると福利厚生を受けられるのも大きなポイントです。
利用価格 | 無料 |
- 様々な働き方から仕事を探したい方
- 安定して稼ぎたい方
- フリーランスでも福利厚生を受けたい方
関連記事:クラウドテックの口コミ・評判を徹底調査【副業として使えるの?】
おすすめのサービス③:Midworks
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“フリーランス・複業・パラレルワークを始めるための求人サイト”である「Midworks」は、フリーランスに特化した案件紹介や勉強会を定期的に行っています。
フリーランスデザイナーの方におすすめの案件もかなり豊富に取り揃えており、他のフリーランスの方とコラボして案件に取り組むといったことも可能です。
また「Midworks」では専用のチャットが用意されているので、フリーランス間での情報交換の場としても利用できます。
利用価格 | 無料 |
- 駆け出しのフリーランスデザイナーの方
- フリーランスとしてチームで仕事をこなしていきたい方
- フリーランスの勉強会に参加してみたい方
おすすめのサービス④:クラウドワークス
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クラウドソーシングサイトの大手サイト「クラウドワークス」では、デザイナーの仕事だけではなく様々なジャンルの案件が提示されています。
ワーカーの数も数百万人にのぼり案件の数もそれ以上にあるので、駆け出しのフリーランスデザイナーはもちろんのこと、「複業」としても使える大変便利なサービスです。
筆者の私も3年ほど利用していますが、実績数が目に見えて分かるので未経験からフリーランスデザイナーを目指す方であれば必ず利用したいサービスといっても過言ではありません。
利用価格 | 無料 |
- 未経験の駆け出しフリーランスデザイナーの方
- とりあえず「副業」として始めたい方
- 営業スキルに自信がない方
おすすめのサービス⑤:ランサーズ
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こちらもクラウドワークスに並ぶ、大手のクラウドソーシングサイトである「ランサーズ」。
歴史はクラウドワークスよりも長く、ワーカーの使いやすさを重視しているサービスです。
サービスサイトの使いやすさはもちろんのこと、専用のアプリもあるため出先でも簡単にクライアントと連絡を取ることができます。
案件の数もクラウドワークスと同じぐらいもしくはそれ以上あるので、駆け出しフリーランスの方にもおすすめです。
利用価格 | 無料 |
- 認知度が高く利用者が多いプラットフォームを利用したい方
- 駆け出しのフリーランスデザイナーの方
- とりあえず「副業」として始めてみたい方
おすすめのサービス⑥:レバテッククリエイター
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Web・ゲーム業界のクリエイター専門のエージェントとしてサービスを提供している「レバテッククリエイター」。「今フリーランスになるべきか?」「希望に合う案件はどれくらいあるか?」といった無料診断もあり、今のあなたの実力から分かる単価相場などを簡単に割り出してくれます。
フリーランスに特化したエージェントなので、専属のアドバイザーがあなたにマッチした案件を紹介してくれる他、常駐型のフリーランスの仕事なども紹介してくれます。
各地で個別相談会なども開催されているので、フリーランスデザイナーとして独立するのに不安がある方はプロに一度相談してみるのも良いかもしれませんね。
利用価格 | 無料 |
- Web・ゲーム業界の仕事がしてみたい方
- フリーランスデザイナーとして高額案件を狙っている方
- 個別相談会でプロに相談してみたい方
デザイナーがフリーランスとして独立して良い案件を見つけるコツ
フリーランスとして独立することができても、案件がなければ稼ぐことはできません。
また、案件紹介が受けられるサービスを上記でご紹介しましたが、誰に頼むかを最終的に決めるのはクライアントであり、「この人に頼みたい」と思ってもらえるだけの魅力をあなた自身が備えている必要があります。
あなたのことを知ってもらうためには、
過去の実績やポートフォリオが重要となります。それらを知ってもらうためにも、ブログやSNSなどで自己発信をすることが大切です。
SNSでデザインを発信しているだけで、自分自身を知ってもらうことができるだけではなく、あなたの作品を「いいな!」と思った人から連絡が来て、案件受注につながる場合もあります。
デザイン力を鍛えることも大切ですが、自己発信をしてあなたのことを知ってもらうことも重要です。
Webの知識も知っておく
デザイナーならデザインの知識だけ知っておけば良いというわけではありません。デザイン会社で働いているのであればWeb専門の担当者もいるかもしれませんが、フリーランスとして働く以上、あなた以外の担当者はいません。
バナーなどの広告デザインなどもありますが、今はWebサイトをデザインするWebデザイナーも増えています。プログラミングをして1からサービスサイトを作りあげるとまではなかなかいかないかもしれませんが、少なくともHTMLやCSSを触ることができた方が案件としての幅も広がります。
Webデザインができるだけで報酬が倍額以上に跳ね上がることもありますし、Webの知識を知っておいて損はありません。
幅広いジャンルのことを知っておく
デザイン=広告
と考えがちですが、デザインとしての技術を使うことができるのは広告だけではありません。
飲食→POP、メニュー、ロゴ作成
出版→挿絵、表紙デザイン
音楽→ジャケット作成
などなど、100%広告業界ではなくてもデザインの技術を使うことができます。
依頼する側としても、デザイナー側にある程度の知識があった方が話が通じるため発注もしやすいです。
デザイナーとしてのコミュニティ以外にも依頼主側のコミュニティも存在します。
中には依頼主側のコミュニティから「あのデザインすごく良かったから担当デザイナーを紹介してほしい」なんてこともあります。
一つのジャンルだけではなく幅広いジャンルの知識をつけて、クライアントの幅も広げましょう。
納期は必ず守ってフィードバックを受ける
発注をする側としては、納期をしっかりと守ってくれる方に発注をしたくなるものです。
納期を必ず守って、修正をすることも考えて納期よりも少し早めに提出をするとなお良いです。
また、納品したままそのまま終わってしまう方も多いのですが、依頼主からフィードバックを受けましょう。
依頼主からはフリーランスにフィードバックはしづらいです。フィードバックを受けることで良かった点もわかりますし逆に改善点もわかります。
依頼する側は、なるべくなら内情の知っている方に依頼をしたいものです。改善点さえわかれば次回は前回を上回るクオリティで納品をすることができます。
そうしてクライアントとの関係性を作り上げていきましょう。
フリーランスデザイナーとして活躍している方のブログ4選
実際にフリーランスデザイナーとして活躍している方のブログを4つご紹介します。
魅力的な方々ばかりで、これからフリーランスデザイナーを目指す方の参考になるので、ぜひともブログをのぞいてみてくださいね。
フリーランスデザイナーのブログ①:新井リオの英語ブログ
ブログ:http://arairio.com/design/180802
こちらは日本とカナダの2拠点で、グラフィックデザイナーとして活躍する「新井リオ」さんのブログです。
彼がデザイナーになったきっかけは、当時やっていたバンドで(自分のCDのジャケットやポスターを自分でデザインしたい!)と思ったことが要因だったみたいですね。
デザイン学校やスクール等は利用せずに全くの未経験から独学でフリーランスデザイナーになっている方なので、未経験から目指す方には大変参考になるとブログだと思います。
フリーランスデザイナーのブログ②:今マジになる!!ブログ
自称”脳内アーティスト”と名乗っているのは、ブログ「今マジになる!!」の運営者”SHUN INANUMA”さん。
初めは無職のフリーターで当時は借金まで抱えていた彼は、フリーランスデザイナーとしてこれまで様々な商品をリリースしています。
ドレッドヘアーがトレードマークの彼が作るデザインセンス溢れる商品の数々は、これからフリーランスデザイナーを目指す方には大きなインパクトを与えてくれること間違いなしです。
フリーランスデザイナーのブログ③:ぱるログ
一家の大黒柱として妻や子供を支えている「ぱるし」さんのこちらのブログでは、デザイナーに関する仕事術から子育て、夫婦生活等の様々なトピックスの記事を配信されています。
変化する家庭環境の中でいかに効率的に仕事をするかなど、役立つ情報が盛りだくさんのブログではこれからフリーランスデザイナーを目指すお父さんやお母さんたちにおすすめのブログですね。
フリーランスデザイナーのブログ④:ポポデザイン
可愛いデザインのサイトを運営しているのは、フリーのWebデザイナーである「恋田 衣里(こいだ えり)」さんです。
サイト制作に特化したサービスを提供されており、ブログを見ていただいたら一目瞭然かと思いますが、とても分かりやすくサービス内容が紹介されています。
ここまで分かりやすいと、自分から営業するまでもなく直接クライアントから仕事の依頼がバンバンきそうですね。
憧れのフリーランスデザイナーへの道のりは簡単ではない!
フリーランスデザイナーは、最初に述べたように他の職種よりもハードルは高い方だと言えます。
アート性が高いので正解がなくクライアントともやり取りが難しく、工数管理も難しい上に単発の仕事が多いので継続した案件を取得するにはマネジメントやディレクション等のスキルが欠かせません。
広く浅く多くのスキルや知識が求められるフリーランスデザイナーの道は、ある程度波に乗るまでは険しくはありますが、コツさえ掴んでしまえば会社員よりも大きく稼げる可能性があります。これからフリーランスデザイナーを目指す方は、自分の理想とする働き方をイメージしながら進んでいってくださいね。