IT業界を中心に広まった「リモートワーク」という働き方。
今では、IT業界だけでなく、幅広い業種で「リモートワーク」が行われています。
しかし、いざ自分の組織で始めようと思っても、どんなツールを揃えて良いか分からない方も多いはず。
この記事では、あなたの組織がリモートワークを始める上で抱えてしまうであろう課題を述べてから、その「課題」別におすすめのリモートワークツールを紹介します。
この記事を読んで、リモートワークの第一歩を踏み出しましょう!
リモートワーク・テレワーク・在宅勤務とは
オフィスに出勤せず、自宅や近所のカフェで業務を行うことをリモートワーク・テレワークと呼びます。
英語においては、Telework(テレワーク)はオフィスを中心に働きながらも、別の場所からも業務を行うことを意味し、Remotework(リモートワーク)はオフィスで働くことがあまりない、もしくは完全にオフィス以外の場所で業務を行うことを意味します。
当初は、エンジニアやWebデザイナーといったIT業界で中心に行われる働き方でした。
しかし最近では、リモートワークは、より広い業種でも採用されたり、感染症拡大の予防措置で採用されたりしています。
リモートワークを行う上で生じる課題
「それではリモートワークを導入しよう!」
となり、いざ導入してみると、通常の業務では起きなかった支障が出てきます。
以下では、多くの企業がリモートワークを実践して感じる課題をまとめました。
- 顔を見て話ができない
- 出勤・退勤時間が分からない
- コミュニケーションがうまく取れない
- 各々が何の業務をしているか分からない
- 社内情報(ハンドアウト)を共有しづらい
- 出勤している感覚がない・隣の人との雑談がない
リモートワークで効果的な業務を行うには、これらを解決することが必要です。
リモートワークツールの選び方
リモートワークに必要なツールは、上記で述べた「リモートワークを行う際の課題」を踏まえた上で選ぶことが大切です。
具体的には、以下のようなツールで解決することができます。
- オンライン会議・面談ツール←顔を見て話ができない
- 勤怠管理ツール←出勤・退勤時間が分からない
- 社内コミュニケーションツール←コミュニケーションがうまく取れない
- タスク管理ツール←各々が何の業務をしているか分からない
- 社内情報(ナレッジ)共有ツール←社内情報(ハンドアウト)を共有しづらい
- バーチャルオフィスツール←出勤している感覚がない・隣の人との雑談がない
また、各分野の中でも
- そのサービスを利用できるユーザー数
- 初期費用
- 月額料金
- 無料期間
に着目してサービスやプランを選ぶと良いでしょう。
機能が同じようなツールでも、ユーザー数と月額料金の関係や無料期間の有無が大きく変わるので、ツールを選ぶ際の判断材料になります。
次の節では、それぞれの課題別におすすめのリモートワークツールを紹介します。
様々なサービスがあると思いますが、自分の企業が何に困っているのか(困りそうなのか)を考え、どのツールが課題解決に必要なのかを想像しながら、読んでみてください。
【解決したい課題別】おすすめのリモートワークツール
それでは、おすすめのリモートワークを「解決したい課題別に紹介します。
オンライン会議・面談ツール|「顔を見て話ができない」を解決
チャット上の情報共有では、伝えづらいこともしばしばあります。
そんな時には、オンライン会議・面談ツールを使うと良いでしょう。
Zoomミーティング
「zoom」は、少人数から大人数まで幅広い人数の話し合いに適したビデオ会話ツールです。
無料プランでは、無制限の1対1ミーティング、100人同時会議(40分まで)を行うことができます。
zoomのセキュリティや通信の安定性が評価され、大学の講義などのアカデミックな場でも使用されています。
Zoomミーティングの特徴
Zoomミーティングの特徴は以下の通りです。
- デスクトップからモバイルまでさまざまなデバイスに対応
- HDビデオと音声の投入によって、ミーティングの参加者は最大で1,000人まで対応可能
- 暗号化やロールベースのユーザーセキュリティ・パスワード保護といった機能があり、セキュリティが万全
- バーチャル背景と外見補正機能によって設定できるカスタマイズ機能もあり
料金
プラン | 月額 | 参加者数 | 必要ホスト数 | 備考 |
無料 | 無料 | 100名まで | なし | パーソナルミーティングにおすすめ、ミーティング時間40分 |
プロ | 2,000円 | 100名まで | なし | 小規模チームにおすすめ、ミーティング可能時間24時間 |
ビジネス | 2,700円 | 300名まで | 10 | 中小企業におすすめ、専用電話サポートあり |
企業 | 2,700円 | 1,000名まで | 50 | 大企業におすすめ、専用カスタマーサクセスマネージャーあり |
Whereby
「Whereby」は、インストール不要・参加者はアカウント登録不要の手軽なビデオ会話ツールです。
無料アカウントは、同時に最大4人まで接続できます。
中規模組織のグループ通話に向いています。
Wherebyの特徴
Wherebyの特徴は以下の通りです。
- ゲストはアカウント登録不要
- 会議のロック機能がある
- 会議に参加したいときはノックする機能もある
料金
プラン | 月額 | 参加者数 | 備考 |
Free | 無料 | 4名まで | ルームロック、スクリーン共有、個人向け |
Pro | 9.99ドル | 12名まで | プレミアムサポート、録音機能(追加で5ドル必要)、フリーランス向け |
Business | 59.99ドル | 12名まで | 複数ユーザー・複数管理者、カスタムドメイン、録音機能、中小企業向け |
Googleハングアウト
Googleハングアウトは、Googleのアカウントを持っていれば無料で使用できるビデオ会話ツールです。
ZoomミーティングやWherebyに比べると回線があまり良いとはいえませんが、無料で1度に10ユーザーと会話をすることができます。
チャットで会話できる「メッセージ機能」も付いています。
Googleハングアウトの特徴
Googleハングアウトの特徴は以下の通りです。
- ほぼ全ての機能が無料で分かりやすい
- 最大10人まで同時接続できる
- Googleドライブとの連携で資料が共有しやすい
- 音声通話やテキストチャットも利用できる
料金
勤怠管理ツール|「出勤・退勤時間が分からない」を解決
業務の効率を上げる前に、従業員がしっかり出勤しているかどうかを管理する必要があります。
これから紹介する勤怠管理ツールを使うことで、従業員の勤怠情報を分かりやすく知ることができます。
ジョブカン勤怠管理
「ジョブカン勤怠管理」は、規模・業種に関わらず国内で40,000社以上の企業に使用されているサービスです。
出勤管理・シフト管理・有給管理を効率よく行うことができます。
最短即日で運用を開始することができますよ。
ジョブカン勤怠管理の特徴
ジョブカン勤怠管理の特徴は以下の通りです。
- 基本的な勤怠管理機能は全て搭載
- 打刻方法は、ICカード打刻やLINE打刻・Slack打刻・モバイルGPS打刻・指静脈打刻
- ジョブカンサポート窓口を設置
- 3日のトライアル期間
料金
初期費用・サポート費用は0円。
30日間無料で全機能を制限なく利用でき、月ごとのプラン変更も可能。
機能は、出勤管理・シフト管理・休暇・申請管理・工数管理の4つの機能から選択。
1ユーザーあたりの月額 | 利用可能機能数 |
0円 | 機能制限あり |
200円 | 1つ利用 |
300円 | 2つ利用 |
400円 | 3つ利用 |
500円 | 4つ利用 |
KING OF TIME
「KING OF TIME」は、どこからでもリアルタイム集計が可能なクラウド勤怠管理システムです。
アカウントは即日発行することができます。
30日間の無料トライアルも利用できるので、ぜひ試してみましょう。
KING OF TIMEの特徴
KING OF TIMEの特徴は以下の通りです。
- クラウド勤怠管理システムで業界シェアNo.1
- 給与計算ソフトとの連携が可能
- 異常な残業があった場合は警告で通知
- WEB打刻機能やスケジュール管理・ICカード打刻機能・休暇管理といった様々な機能
料金
月額: 300円〜/ユーザー
F-Chair+
「F-Chair+」は、ワンクリックで時間を記録することができる勤怠システムです。
従業員のパソコン画面を自動撮影することもできます。
また、テレワークで陥りがちな、細切れ作業が続いた場合でも、合算された作業時間が表示され便利です。
F-Chair+の特徴
F-Chair+の特徴は以下の通りです。
- ワンクリックで時間を記録
- 従業員のパソコン画面の自動撮影
- 労働時間の合算
- 残業時間の強調表示
料金
初期費用: 0円
ユーザー数 | 月額費用 |
1〜10名 | 10,000円 |
11〜20名 | 20,000円 |
21〜30名 | 30,000円 |
31〜50名 | 45,000円 |
51〜100名 | 80,000円 |
jinjer勤怠
「jinjer勤怠」は、簡単な操作と多彩な機能、そして丁寧なサポートに定評のあるサービスです。
プランも幅広く設定されているので、会社の規模・使用したいサービス内容に応じて使うことができます。
シフトパターンは無制限での登録が可能です。
jinjer勤怠の特徴
jinjer勤怠の特徴は以下の通りです。
- ワンクリックで時間を記録
- 従業員のパソコン画面の自動撮影
- 労働時間の合算
- 残業時間の強調表示
料金
月額: 300円〜/ユーザー
IEYASU
「IEYASU」は、13,000社で利用されている無料の勤怠管理サービスです。
人事実務の専門家集団が考えた、ベンチャー企業で必要な機能が盛り込まれた、シンプルで使いやすいシステムです。
データ保存期限なしの有料版もあります。
IEYASUの特徴
IEYASUの特徴は以下の通りです。
- リアルタイムで従業員の勤怠状況や残業時間を確認できる
- リアルタイムでの勤怠管理や給与計算・日報機能・ICカード打刻などの機能が無料
- 有料プランでは、メールサポートや申請ワークフロー・有給休暇の自動付与などの機能あり
- 日報管理も可能で業務内容とそれにかかった時間を管理
料金
初期費用: 0円
プラン | 1ユーザー月額 | 社員数 | 備考 |
フリー | 無料 | 制限なし | サポートや機能制限あり |
ベーシックS | 3,800円 | 39名まで | 広告非表示・機能制限なし |
ベーシックM | 9,800円 | 149名まで | 広告非表示・機能制限なし |
エンタープライズS | 29,800円 | 499名まで | 広告非表示・機能制限なし |
エンタープライズM | 59,800円 | 999名まで | 広告非表示・機能制限なし |
1,000名以上は要問い合わせ。
社内コミュニケーションツール|コミュニケーションがうまく取れない
オンライン上ですと、お互いが見えないので何をやっているかわかりません。
そこで、お互いの進捗や報・連・相を共有する場所として、社内コミュニケーションツールを使用すると良いでしょう。
Slack
「Slack」は、世界で利用している人が1,000万人を超える定番の社内チャットツールです。
組織の体系に応じて、複数のチャンネルを作成することができ、複数の項目に関して同時進行で会話を進めることができるので、とても便利です。
また、Googleドライブやasanaなど1,500以上のアプリケーションと連携することもできます。
Slackの特徴
Slackの特徴は以下の通りです。
- API技術によるTwitterやメール・Google・Skypeなど他のツールとの連携
- メッセージの検索機能や修正・削除が可能
- MacやWindows、iPhone、android、iPadなど主な端末でアプリをダウンロードすることが可能
- 有料プランの場合は、アクティブなユーザーにのみ請求が行われる
料金
プラン名 | 月額 | 備考 |
フリープラン | 無料 | 1対1の音声・ビデオ通話・直近のコミュニケーション10,000件を検索 |
スタンダードプラン | 960円 | メッセージ検索無制限・最大で15人までのグループ音声・ビデオ通話 |
プラスプラン | 1,800円 | SAML ベースのシングルサインオン・メッセージのカスタムエクスポート |
Chatwork
「Chatwork」は、メール・電話・会議などの仕事で必要なコミュニケーションを担うことができる国産のビジネスチャットです。
サーバーとの通信は全て暗号化されており、大企業や官公庁でも導入されるほどのセキュリティ水準です。
依頼されたタスクをそのままTo Doとして保存できる、タスク管理機能もあります。
Chatworkの特徴
Chatworkの特徴は以下の通りです。
- タスク管理が可能
- 高度なセキュリティ水準
- スタンプの送信
- 欲しい情報を瞬時に表示できる一括検索
料金
プラン名 | 月額 | 備考 |
フリープラン | 無料 | 14グループまでのチャット・1対1でのビデオ・音声通話 |
パーソナルプラン | 400円 | グループ数無制限・複数人とのビデオ・音声通話・広告非表示 |
ビジネスプラン | 500円 | グループ数無制限・ユーザー管理 |
エンタープライズプラン | 800円 | グループ数無制限・社外ユーザー制限・IP・モバイル端末制限 |
ビジネスチャットツールに関しては、こちらの記事もどうぞ。
タスク管理ツール|「各々が何の業務をしているか分からない」を解決
別々の場所で作業をしていると、仕事の進捗・スケジュールを共有するのが難しくなってしまいます。
タスク管理ツールを利用することで、お互いの仕事を簡単に把握することができます。
asana
「asana」は、タスクをカードにして、優先度や期限・詳細をシンプルにまとめることができるタスク管理ツールです。
進捗状況をプロジェクトチーム全体で共有することができるので、効率的に業務を行うことができます。
また、プロジェクト間の依存関係を設定できるのが特徴です。
asanaの特徴
asanaの特徴は以下の通りです。
- 機能が満遍なく搭載されている
- タスクの依存関係など細かい設定ができる
- タイムトラッキングツールとの連携で、タスクの自動計算ができる
- 大企業でも多く使用されている
料金
タイムラインやポートフォリオなどの機能に応じて、有料プランあり。
Trello
「Trello」は、使いやすさを重視したシンプルなタスク管理ツールです。
個人のタスク管理に適しています。
使い方を知らなくても直感的に操作できるのが特徴です。
Trelloの特徴
Trelloの特徴は以下の通りです。
- シンプルで直感的
- ボードの背景画像を変えられる
- 小さめのプロジェクトに最適
料金
機能に応じて、有料プランあり。
Backlog
日本企業が提供する本格的なタスク管理ツール。
ガントチャートを利用することで、プロジェクトの進捗を一目で確認することができます。
高機能ながらも使いやすいデザインになっているのが特徴です。
Backlogの特徴
Backlogの特徴は以下の通りです。
- SubversionとGitリポジトリと連携しているため、チームのソースコードを管理することができる
- ガントチャートで全体の進捗を一目で把握
- 大規模のプロジェクトにおすすめ
料金
プラン | ユーザー上限 | 月額料金 | ストレージ | プロジェクト数 |
スタータープラン | 30人 | 2,000円 | 1GB | 5 |
スタンダードプラン | 無制限 | 9,800円 | 30GB | 100 |
プレミアムプラン | 無制限 | 16,800円 | 100GB | 無制限 |
プラチナプラン | 無制限 | 50,000円 | 300GB | 無制限 |
エンタープライズ | 20人〜 | 75,000円 | 無制限 | 無制限 |
ナレッジ(社内情報)共有ツール|「社内情報(ハンドアウト)を共有しづらい」を解決
オフィスで働いているときは、紙で共有して整理していた資料をどうするか。
ここでは、オンライン上で共有できて整理しやすいナレッジ共有ツールを紹介します。
Scrapbox
「Scrapbox」は、高度なセキュリティとアウトプットのしやすやが特徴のナレッジ共有ツールです。
最大の特徴は、アップロードした資料に使用されている単語から、他の資料との関連性を見つけ、ファイルを自動で整理してくれる機能です。
デザインがとてもシンプルで情報を発信しやすいので、どの役職の人でも気軽に使用することができます。
Scrapboxの特徴
Scrapboxの特徴は以下の通りです。
- Scrapbox内のリンクを活用しやすい
- 文書内の単語を活用し、ファイルを自動で整理してくれる機能
- 共同編集が簡単にできる
- 頑丈なセキュリティ
料金
プラン | 月額料金 | 容量 | ユーザー人数 |
個人利用 | 無料 | 制限なし | 制限なし |
公開プロジェクト | 無料 | 制限なし | 制限なし |
BUSINESS STARTER | 無料 | 100ページ | 制限なし |
BUSINESS | 1,000円/ユーザー | 制限なし | 制限なし |
Confluence
「Confluence」は、文章だけでなく、画像や動画・GIFなどを用いた資料を保管できるナレッジ共有ツールです。
他の人の資料に対してレビューを行うことが簡単です。
また、多くの資料テンプレートが用意されているので、資料作成の開始段階で困ることなく、円滑な情報共有ができます。
Confluencの特徴
Confluencの特徴は以下の通りです。
- 画像や動画・GIFなどを用いた資料の保管が可能
- 検索機能とページのツリー構造で資料を探しやすい
- レビューが簡単
- 資料のテンプレが複数用意されている
料金
プラン | 月額料金 | ユーザー数 |
無料 | 0円/ユーザー | 10名まで |
Standard | 600円/ユーザー | 11〜100名 |
Premium | 1,190円/ユーザー | 1〜100名 |
バーチャルオフィスツール|「出勤している感覚がない・隣の人との雑談がない」を解決
オフィスでの挨拶やちょっとした雑談から、新たなプロジェクトが生まれる時もあります。
バーチャルオフィスツールを利用することで、あたかもオフィスにいて隣の人と話すような空間をつくることができます。
Remotty
「Remmotty」は、「人の存在感」「雑談」といった、リモートワークで失われてします要素を実現するためのバーチャルオフィスツールです。
2分おきに在籍者の顔写真を撮影・表示したり、ワンクリックでテレビ会議を始められたりします。
他の人のチャットを覗くことができるので、周りの状況も把握できます。
Remottyの特徴
Remottyの特徴は以下の通りです。
- 2分おきに在席者の顔写真を撮影・表示
- 各メンバーごとのチャットスペースあり
- 他のメンバーのやりとりが見える
- ワンクリックでテレビ会議スタート
料金
ビジネス: 月額100,000〜
Sococo
「Sococo」は、30種類以上のオフィスレイアウト上に従業員のアバターを表示できるバーチャルオフィスツールです。
オフィスレイアウト上で、席を隣にすることで「一緒に仕事している感覚」を得ることができます。
社外のお客様も簡単に招待できるので、営業活動の効率も上がります。
Sococoの特徴
Sococoの特徴は以下の通りです。
- アバターを操作し、文字や声・映像でコミュニケーション
- 30種類以上の中から選べるオフィスレイアウト
- ブラウザ上でアクセスできる
- 5名までのトライアル期間あり
料金
最後に: 自分の組織の課題に適したリモートワークツールを決めよう
ここまで、解決したい課題別にリモートワークツールを紹介しました。
自分の組織の状況を踏まえ、より適したリモートワークツールをお選びください。