制作会社と事業会社のデザイナーの仕事の違いって? これから就職や転職を考える人へのおすすめポイント

こんにちは、灰色ハイジ(@haiji505)です。

最近LiBという女性向け転職サービスのスタートアップに入ったデザイナーです。

その前は、学生の時にWebサービス会社のはてな、卒業後は広告代理店グループの制作会社である博報堂アイ・スタジオという会社でWebデザイナーをしていました。
学生当時、就職活動で悩んだのは「制作会社」と「事業会社」どちらに行くのが良いんだろう?ということでした。

入ってみるまでその仕事の違いはなかなか分かりません。どちらも働いたことのある経験から両者の特徴と選ぶポイントをご紹介します。

これからデザイナーとして就職を考えている学生さんや、転職を考えているデザイナーさんの参考になれば幸いです。

制作会社の仕事って?

受託と呼ばれる、他の企業から請け負って制作をする会社です。

近年、デジタル領域におけるデザイナーの役割は幅広くなってきました。
Web/アプリ/屋外広告(デジタルサイネージや、デジタルデバイスを活用したイベントなど)など。
会社によって得意な領域は異なりますが、いろんなデザインに挑戦してみたい、と思っている方におすすめです。

会社の社員規模によってもガラリとイメージが異なるため違いを紹介します。

社員規模100人前後以上

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私の前職、博報堂アイ・スタジオはこちらに分類されます。
この規模の特徴は、とにかく会社で請け負う仕事の数/種類が多いことです。

実際に私もキャンペーンサイト、大規模コーポレートサイト、アプリ開発などに携わりました。
関わる業種も化粧品、ファッション、車、飲料系などさまざまです。
いろんな系統のデザインに挑戦できるため、飽き性の人にはおすすめかもしれません。

この規模の会社のメリットは、さまざまな先輩がいることです。タイポグラフィが得意な人、ビジュアルコーディングが得意な人、女性向けデザインが得意な人など、社内を見渡せばさまざまなカラーの人がいます。

デザイナー以外にライター、プランナー、カメラマンといった別のクリエイティブ職の人が在籍していることも多いです。

さまざまなことに関われるチャンスがある代わりに、社内に良い意味でライバルが多い状態でもあります。自分のやりたいことに関われるかどうかは、社内で自ら声をあげてプレゼンしていく力が必要かもしれません。

社員規模30人前後以下

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アートディレクター/デザイナーが社長を務めていることが多く、デザインのアウトプットイメージに特徴があります。(写真のレイアウトが綺麗、イラストを生かしたデザイン、UIが得意など)
人数的に領域は固定しまいがちですが、関わる業種がファッションに強かったり、ゲームに強かったり、音楽系に強いなど、会社によってそれぞれ強みがあることが多いです。
自分のやりたいことや、テイストにこだわりがある人は、自分のカラーにあった会社を選ぶと良いと思います。

会社のポートフォリオを見ると、その会社がどういった仕事をしているのかが分かり、実際に自分が入った時のやりたいこととの乖離があまりないと思います。
その分、実力だけでなくその会社に合う/合わないといった点で選考がなされるため、ある意味狭き門であるとも言えます。

探し方

これらの会社選びは、クリエイティブメディアが運営している求人サイトで探すのがおすすめです。制作会社の社員自身が普段接しているメディアであるため、感度の高い会社が求人を出しています。
また、クリエイティブに特化しているため、サイト内で企業の作品ポートフォリオが閲覧できたりします。

CINRA.JOB

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CINRA.JOB

CBCNET WORK

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CBCNET WORK

MOREWORKS

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MOREWORKS

事業会社の仕事って?

アプリやWebサービスなどを自社で開発・運営している会社です。

制作会社との大きな違いは、そのサービスの専任デザイナーであることです。制作会社では3ヶ月サイクルくらいでさまざまなプロジェクトに関わるケースが多かったのですが、事業会社の場合は長期的にそのプロジェクトを見続けることになります。

私が事業会社に入って一番嬉しかったことは「ユーザーの声が直接聞ける」です。
制作会社の場合は、以下の図のような構造のため、直接デザインに触れるユーザーの声を聞く機会があまりありません。
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業務の一環でユーザー調査を行う場合もありますが、あくまで似た属性をもったターゲットユーザーにヒアリングする場合が多く、直接的な商品の顧客の声を聞ける機会は限られています。
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事業会社の場合は、ユーザーインタビューをデザイナーが行うことも多く、実際に使っているユーザーに会える&生の声が聞けます。
「サービスのデザインが好きです」「サービスを使ってこんなことができました!」などの声を直接聞けるのはデザイナー冥利に尽きます。

実は幅広くデザイン出来る

事業会社のデザインというと、デザインをがらりとリニューアルすることが少ないため、ボタンの色を変えたり、バナー作ったり細々したもの作っているんでしょう?と思う人も少なくないかもしれません。

私も入るまでそんなイメージを抱いていました。けれど、実際に2社経験してみると、仕事の幅は広いな、と思います。

Tシャツだったり、ステッカー、パンフレット、広報用メディアなど、サービスだけでなく会社に関係するものすべてがデザイナーの領域です。

会社の規模によってはデザイナーが不足している場合もあり、やりたくても手がつけられなかった!といったことが多く、日々、課題発見の連続です。

デザインのないところにこそ、デザイナーの仕事あり、と私は思っています。
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美大を卒業して、制作会社で働くか、メーカーのインハウスデザイナーになるか、それともフリーランスになるか?

パッケージや、Webデザイン、コスチュームまでトータルで手がけているBAKEのアートディレクターの例も。

最近は店舗を持っていたり、リアルな物を製造することと絡めたサービスも増えてきて、リアルプロダクトのデザインに関われる会社も多いように感じます。

好きなことで選ぼう

事業会社に入ると、常にその事業のことを考えます。ファッションサービスならファッションのこと、食サービスならグルメのこと、といったように。

私の個人的なデザイナーとしての持論は、自分がユーザーであること、です。UXと呼ばれるユーザー体験を考えるデザインのとき、自分がユーザーだとそこへの理解が早いからです。

一方で、デザイナーの意識として客観性を持つことが重要なので、そういう意味で自分がユーザーじゃない方が、独りよがりにならないデザインが出来る場合もあります。仮に自分がターゲットユーザーじゃないとしても、365日接していて嫌じゃないものを選ぶのをおすすめします。事業ミッションに共感出来るかどうかを判断基準のひとつにすると良いのではないでしょうか。

探し方

事業会社が多く求人を出しているメディアがおすすめです。ファッション、グルメ、ゲームなど自分が興味の持てるキーワードで探してみると良いと思います。デザイナーという軸とは違った探し方をすることで、思いも寄らなかった会社と出会えるかもしれません。

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Wantedly

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MOREWORKS

制作会社の方でも取り上げさせていただきましたが、サービスを創るデザイナー特集で探すことが出来ます。

まとめ

私の経験から制作会社と事業会社のデザイナー・仕事の違いを書かせてもらいました。
以下が、簡単なまとめです。

  • 制作会社は、だいたい3ヶ月ほどのサイクルで仕事がまわっているため、多くの種類のデザイン案件に関われる。場数を踏めるのでデザインスキルを伸ばせる。
  • 事業会社は、新サービスを出さない限りはずっと1サービスを担当。長期的に関われる分、愛もひとしお。サービスだけでなく周辺のグッズを作ったりなども。

最近は制作会社さんがサービスを立ち上げているケースもあります。二者択一という訳でなく、自分に合う会社と出会えると素敵ですね。

少しでも参考になれば幸いです。

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