伝わる文章を書くために、いますぐできる実践方法

たくさんのWeb記事がインターネット上に溢れており、誰でも簡単に「ライター」と名乗れる時代になりました。

エンジニアでQAサイトに頻繁に投稿している方も、デザイナーでオウンドメディアを運営している方も、趣味でブログを運営している自営業の方も立派な「ライター」です。

今回は個人的な方法ではありますが、伝わる文章を書くために実践している方法を紹介します。

特に、主語述語、修飾語等の、文章のテクニック本(座学)を読むのにうんざりしている人向けの記事です。

伝わる文章とは

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最後まで読んでもらえる文章

伝わる文章とは、ナタリーの唐木さんの本(新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング)にも書かれていますが「最後まで読んでもらえる文章」ということではないでしょうか。

皆さん、文章を書くときには”誰かに何かを伝えたい”思いで書いていますよね?どんな記事にせよ、そこには読者がいることを意識して下さい。

読者に読んでもらえなければ、勿論伝わる文章とは言えません。まずは最後まで読んでもらえる文章を書くことを意識してみてください。どうすれば最後まで読んでもらえるだろうと。

  • 誰が読むのだろうか。
  • いつこれを読むのだろうか。
  • 読む人は普段どんな生活をしているのだろうか
  • ここに自分のエピソードを入れたら良いんじゃないか。

読者は、毎朝満員電車で吊り革につかまりながら読むサラリーマンかもしれませんし、授業中に教授にばれないようにスマホで読む学生かもしれません。まずは最後まで読んでもらえる状況を考えてみます。

誰に何を伝えるかを意識する

広告業界でよく言われるセリフに、「what to say」「how to say」という言葉があります。

「何を言うか」と「どう言うか」を文章を書く前に意識してみてください。相手に伝えたいことは何なのだろうかと。

ここで1つバレンタインデーのエピソードをご紹介します。

「花が枯れるのは早いので、それまでにチョコレートを食べてください」と言い、バレンタインデーに花とチョコを渡したお話です。

・「何を言うか」は「チョコレートを早めに食べてくださいね。」
・「どう言うか」は「花が枯れるまでに食べてください」

と相手に「何をどう言うか」を考えた結果です。

「伝わる文章の書き方」を読んでも上手くならない

文章を書く上で、気にする点は多く存在します。

同じ言葉を繰り返していないか?/ タイトルは魅力的か // 等など気をつけることはたくさんありますが、座学的な部分を苦手にしている方ですと、普段から記事を書く事が無いと実際身につかないのが実情です。

文章力の座学も踏まえつつ、伝わる文章の書き方をトレーニング方法をご紹介します。

毎日の文章力トレーニング

Day One 毎日日記

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これは、Day one と呼ばれるアプリを使った毎日の感じたことを殴り書く方法です。(現在iPhoneとmacしかアプリが無いのが残念です)

Day One

これは簡単に言うと日記アプリです。毎日の同じ時間に、「きちんと日記を書いたか?」とリマインドしてくれます。

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日付で管理ができるため、その日に自分が何を考えていたのかが分かりますし、管理がしやすいのが特徴です。

書き方としては、その日の朝に思ったことをタイトルにします。今日寒いなと思ったら「2月〇〇日は1年の中で寒い日」というタイトルを付けます。そこから、妄想を膨らませながら話を書いてください。

私は彼女と別れた日には「人との別れ」というタイトルを付け、人生について深く考えましたが、辛くもなるので、比較的楽しいタイトルがオススメです。

とにかく毎日書きます。ブログ発信ではサイトの体裁を整える初期投資と、世の中に公開されることハードルから文章を書き始めることが出来ない方も多いでしょう。クローズな環境から、最初の一歩を踏み出して下さい。

WIRED 見出し写経

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楽しい妄想日記だけで、毎日文章を書くことができますが、どうしても個人の尺度だけになってしまうので、伝わる文章の技法を実践的に学びます。

私はWIREDという「最新のテクノロジー」のニュースを配信してくれるWebニュースの5行ほどで要約された序文を「今日のWIRED」として記録しています。

wired02

タイトル:世界を真上から見た写真は、見るものをはっとさせる

文章:自宅から半径80km以内をパラモーターで飛びまわり、空から写真を撮影している男がいる。一切加工が施されていない、ポーランドのありのままの姿をとらえた写真は、人間が周囲の世界をいかに変え、破壊しているかを見る者に気づかせる。

たったの5行で今回の文章が要約されています。これを毎日、同じく「DAY ONE」に記録します。

ポイントは、ただ文章を読むのではなく、気になった言い回しなどを一緒にメモするようにしましょう。考える事が大切です。

WIREDを読んでいない方は雑誌でも良いですし、他のウェブメディアでも良いです。

ですが、巷で流行っているバズメディアではなく、プロの編集者が書いた記事が掲載されているウェブメディアをオススメします。

COURRiER Japon
WIRED
GQJAPAN

縦書きコラムを読む

今までのDAY ONEと写経を毎日繰り返すようにすれば、徐々に文章力は向上してきます。
更にインプットを増やす方法として、縦書きコラムと呼ばれるアプリもオススメです。

昔、天声人語などのコラムを夏休みの課題で読まされたことありませんか? 各新聞に掲載されるコラムを集めたアプリです。

taategaki
tate-shukikoramu

各コラムとも2分程度で読めますし、ここで気になったこともDAY ONEに今日の縦書きコラムとしてまとめます。こうしてインプットとアウトプットを繰り返します。

コピーライター/編集者の本を読む

ここからは、実践トレーニングからは少し離れ、座学になってはしまいますが、コピーライターや編集者向けの本も一度読んで見て下さい。

読むだけであなたの仕事が変わる 「強い文章力」養成講座
広告コピーってこう書くんだ!読本
働く、編集者―これで御代をいただきます。
新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング
プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術
伝わっているか?

実用的な文章技法の本だけでなく、同じく言葉を扱っているコピーライターの本を一緒に読みます。

彼らは「広告商品をどうすれば消費者に伝えられるものにできるか」を本気で考えています。読み飛ばされない、興味を持ってもらう技法がこの中に詰まっています。

同じく編集者向けの本もオススメです。

「情報をまとめて、整理してお金をもらっているということ」を強く意識させてくれます。彼らは文章を書いてお金をもらっている職業です。言葉を相手に仕事をしている方は、言葉の難しさを一番良く知っています。

どんどんテクニックを使う

最後に数々の書籍などにも登場するテクニックを一部まとめてご紹介します。

これらは、一度読んでDAY ONEに意識して書いてみましょう。テクニックはどんどん使って体に覚えさせられれば、無意識のうちに使えるようになります。

抽象的な言葉を使わない(常套句を避けて具体的に言葉を書きましょう。)

  • 懐かしい味⇒創業期から変わらない
  • こだわりの⇒産地直送の
  • 未来⇒最新デバイス〇〇を使った
  • 安くて美味しい⇒一杯100円

このように具体的に書き換えるだけで、読み手のイメージが膨らみます。

書始める前の準備を大切に

いきなり文章を書き始めるのは控えましょう。

  • テーマを決める
  • 全体像を考える
  • 対比するものがあるか
  • 結論

書き始める前に、毎回同じ思考プロセスを持って考えることを習慣にしてみてください。

簡潔に書く

当たり前すぎる話ですが、難しい話にすればするほど理解できる人の範囲が変わります。論文の執筆では問題ありませんが、読む人が学生だったらどうでしょうか。「平易な表現」で、相手に分かりやすく書くことを意識してみてください。

推敲する

一通り書き終えたら、読み返しながら言葉遣いを再度チェックし推敲するステップを忘れずに行いましょう。

何度も読み返して文章を推敲して下さい。その際に、まずは「ですます調」から確認する。と決めておくと抜け漏れも減ります。

最後に

読んで頂きありがとうございます。

文章を書くことって難しいですよね。私は会社でたくさん怒られたので、どうすれば「文章力」なる未知なモノが上達するのだろうと四苦八苦し、行き着いたのが今日紹介した方法です。

同じように悩んでいる人のきっかけになれば幸いです。

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