「ピアボーナス」は、アメリカで主流となっている人事評価制度の1つ。
Googleが導入したこともあって認知度が高まり、日本でも導入する企業が増えています。
しかし、ピアボーナスを導入するにあたって
「ピアボーナスツールをうまく運用できるか自信がない…」
といった不安をお持ちではないですか。
そこで今回は、creive編集部おすすめのピアボーナスツールを厳選して3つ紹介します。
記事後半では、ピアボーナスツールの選び方や、導入時の注意点についても解説するので、合わせて参考にしてくださいね。
ピアボーナスツールおすすめ3選
それでは早速、おすすめのピアボーナスツールを3つ紹介します。
おすすめポイントや料金体系を比較しながら解説するので、ぜひ導入時の参考にしてください。
Unipos(ユニポス)
公式サイト:Unipos
- 企業に合わせて使いやすい機能設計
- Chatwork、Slack など多様なチャットツールとの連携が可能
- タイムラインでコミュニケーションの活性化を促進
Uniposはピアボーナス制度の中でも知名度が高く、アース製薬株式会社や株式会社マイナビなど多くの企業が導入しています。
多様なチャットツールと連携しているため、導入のハードルが下がるのも嬉しいポイント。
使い方は比較的シンプルで、報酬にメッセージを添えて送るだけ。
報酬として送られたポイントは、給与にプラスする、寄付を送る、福利厚生費として支給するなど、企業の文化に合わせた形で還元されます。
1ポイントあたりの金額も企業ごとに設定することができます。
また、このやり取りはタイムラインで形式で投稿されるため、全社員で共有されます。そのため社員同士の理解も深まりますし、上司にとってもマネジメントの参考となります。
そしてタイムラインを見た人が投稿に共感した場合、「拍手」を送る機能も付いています。拍手はもらった側・送った側それぞれにポイントが入るので、社員間のコミュニケーションを活性化させるとともに、利用率の向上にもつながります。
さらにコンサルタントの継続的なサポートがあるので、導入後も安心です。組織改革に踏み切るための強力なアシストが付いています。
導入までは約2週間かかりますが、もっと早く導入したい場合はお問合せも可能です。2022年3月末までは初期費用0円キャンペーンも開催されているので、お早目の検討をおすすめします。
運営会社 | Unipos株式会社 |
料金体系 | 初期費用+月額料+オプション (詳細は公式サイトからお問合せください) |
チャットツール連携 | Chatwork 、Microsoft Teams 、Slack 、Facebook Workplace |
THANKS GIFT
公式サイト:THANKS GIFT
- 企業理念が浸透しやすい
- 社内掲示板の活用で情報共有を促進
- 様々なモチベーションアップの仕組み
THANKS GIFTには、企業理念が浸透しやすいという特徴があります。その理由の1つが、企業の理念と社員の行動を関連させる「オリジナル理念コイン」。企業理念に沿った行動を評価するため、自然と社員の中に理念が浸透していく仕組みです。従業員エンゲージメントの低さに課題を抱えている企業にとっては、ぜひ活用したい機能ではないでしょうか。
また、社内掲示板や社内報を活用することで、情報共有を促します。コミュニケーション不足による「自分の会社なのに知らない」という状態をなくすことができるのです。単に情報だけを共有するのではなく、ビジョンを共有したり、社員の活躍を紹介したりと、使い方はたくさんありますよ。
そして報酬と合わせて送られる「サンクスカード」は全社員が見ることができるため、「みんなの前で褒められた」という喜びが生まれます。それがその後の仕事のモチベーションになり、より企業に貢献しようという意欲が向上します。さらにランキングやMVP表彰機能も付いているので、承認欲求が満たされ、こちらもモチベーションアップにもつながります。
導入までの期間は2週間~1カ月ほど。企業の課題に合わせた導入支援が受けられるので、安心して運用ルールを作成することができます。
運営会社 | 株式会社 Take Action |
料金体系 | 初期費用+月額費用+オプション (詳細は公式サイトからお問合せください) |
チャットツール連携 | THANKS GIFT アプリ内にチャットツールあり |
RECOG(レコグ)
公式ホームページ:RECOG
- 「レター機能」で褒め合う文化が広がりやすい
- 楽しめる仕組みがたくさん
- 導入前〜制度の定着までサポートが充実
「報酬にメッセージを添える」ではなく、「レターを送るとポイントがたまる」(※オプション機能)という視点が、他のピアボーナスツールとは少し違うところ。
RECOGは「レター機能」を通じて褒め合うことを最も大切にしているツールです。送ったレターは社内に共有されるため褒め合う文化が広がり、社内のコミュニケーションの活性化やモチベーションアップにもつながるのです。
また、ランキングやイベント機能など、楽しめる仕組みがたくさん。アクションを起こしたときに紙吹雪が舞い散るなどワクワクする演出もあるので、自然と続けることができます。
社内掲示板やチームの様子が一目で分かる「チームページ」など、業務を進める上で役立つ機能もあるので、レターを送るだけでなく多くの場面で活用できます。
そしてサポート体制の手厚さも見逃せないポイントで、電話はもちろんメールやチャットでもサポートを受けることができます。
導入前には利用ガイドが準備されている他、社内告知用のポスターなどの細かなところまでサポート。運用が始まってからも、社内で定着するまでサポートが受けられるので安心です。
運営会社 | 株式会社 シンクスマイル |
料金体系 | 初期費用+月額費用+オプション (詳細は公式サイトからお問合せください) |
チャットツール連携 | Chatwork 、Slack 、SmartHR 、Incentive point |
そもそもピアボーナスとは:より分かりやすく解説
ピアボーナスは「peer(仲間)」と「bonus(報酬)」を合わせて作られた言葉。
仲間(peer)、つまり社員同士で報酬を送り合う制度のことを指します。
ピアボーナスは、「テレワークが増えて社内のコミュニケーションが取りづらくなった」「離職率が高くて人材が定着しない」といった課題を解決する新しい評価の仕組みです。
給与や各種手当とは別に支給されるため、「第3の給与」と呼ばれることもあります。
給与といっても現金を送り合うだけではなく、報酬として社内で使えるポイントやコインを設定することも可能です。
ポイントを給与に上乗せして支給する、ポイントを貯めて福利厚生にあてるなど、使い方も企業によって様々。社内のニーズに合わせて設定することができます。
ピアボーナス制度の特徴
ピアボーナス制度の大きな特徴は評価観点にあります。数値化された成果ではなく、努力や気遣いといった数値化しにくい働きが評価されます。
給与・インセンティブ |
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ピアボーナス |
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努力や気遣いとは、例えば「お客様への対応が丁寧だった」「資料作成を手伝ってくれた」などということ。
送り合う報酬は多くの場合少額ですが、いわゆる「縁の下の力持ち」タイプにもしっかり焦点が当たるため、社員全体のモチベーションアップにつながります。
ピアボーナス制度のメリット
ピアボーナス制度を導入するメリットは、大きく分けて3点あります。
- コミュニケーションの活性化
- 従業員エンゲージメントの向上
- 離職率の低下
以下に詳しく解説していきます。
1.コミュニケーションの活性化
社内のコミュニケーション不足は、
- 生産性の低下
- 人材の流出
などにつながります。
部署ごとの連携がうまくいっていないケースもありますし、近年ではテレワークの普及によってコミュニケーション不足が深刻化している場合もあります。
ピアボーナス制度がコミュニケーションの活性化につながるのは、
- 社員が互いに良いところを探そうとする
- 全社員がそのやり取りを知ることができる
という特徴があるため。良いところを探すために自然にポジティブなコミュニケーションを取る上、やり取りを知ることでコミュニケーションの輪が広がるのです。
そして社員間でコミュニケーションがしっかりとれていれば、情報共有がしやすく、かつ協力体制が取りやすいチームを作ることができます。
2.従業員エンゲージメントの向上
従業員エンゲージメントとは、企業への帰属意識や貢献意欲のこと。
日本は世界の中でもこの数値が低いと言われていますが、従業員エンゲージメントが低いということは、その企業に対する信頼感やビジョンへの共感、自身のやりがいが低いということです。
そのため企業にとっては人材流出の懸念や、サービスの質の低下という不安を抱えることになります。
従業員エンゲージメントを向上させる方法は様々で、
- コミュニケーションをしっかりとること
- 企業の理念やビジョンを正確に伝えること
- 社員のモチベーションを上げること
などが挙げられます。そしてピアボーナス制度は、いずれの方法にも効果を発揮する手段なのです。
ピアボーナス制度を上手く活用することで、
- 企業の理念やビジョンに合った行いを評価する仕組みを作る
- 自身の働きについて「正当に評価されている」という気持ちを生む
といったことが可能となります。
前者は社員の企業理念やビジョンに対する理解を深めるとともに、貢献意欲も高めます。
後者は企業への信頼感やモチベーションアップにつながるため、結果として従業員エンゲージメントの向上が期待できるのです。
3.離職率の低下
「応募者は多いのになかなか人が定着しない」という悩みを抱えている企業は多いはず。例えば、
- 大切に育てた人材の流出
- 離職率の高さ
という点に課題を抱えている場合にも、ピアボーナス制度を導入するメリットは十分にあるでしょう。
そもそも「頑張っているのに評価されない」という思いは、社員にとって企業への不信感につながります。
社員には人事評価の基準が分からないことも多いため、自分の評価に不満を持つ社員も生まれるのです。
そしてこの不信感や不満が転職を決めるきっかけとなり、結果として離職率の増加につながってしまいます。
一方で、ピアボーナス制度の場合は、
- 報酬と合わせてメッセージが付けられるので、評価観点が分かりやすい
- 「他者に認められた」という思いがモチベーションにつながる
という特徴があります。自分の頑張りが周囲からの評価に反映されるので、不信感や不満の軽減にもつながります。
このように、ピアボーナス制度を取り入れることで様々なメリットがあります。
特に、社内のコミュニケーションや社員の定着率などに課題を抱えている企業では高い効果が見込めます。
ピアボーナス制度の注意点3つ
こうしたメリットがある一方で、注意しておくべきポイントもあります。
- 運用コスト
- 浸透度の確認
- ルールの明確化
についてはしっかりと理解しておきましょう。
1.運用コスト
ポイントは、ピアボーナスの導入にかかるコストと得られるメリットを明確にしておくこと。導入メリットが多々あっても、費用対効果が見込めなければ企業としては導入しづらいですよね。
社員が受け取る報酬が増えるということは、企業が支払うコストも増えます。その財源確保も必要です。
社員の人数によって月額が変わるピアボーナスツールも多いので、月額利用料については早めに問い合わせておく必要もありますね。
かかるコストを正確に把握し、それを上回るメリットがあることをはっきりさせておきましょう。
2.浸透度の確認
新制度を導入した後は、制度を形骸化させることなく社内に浸透させる必要があります。
特に褒め合うという文化は慣れていない人も多いため、根付くまでにある程度時間がかかるでしょう。
そのため導入後は浸透度を適宜確認し、上司が積極的に活用していくなどの工夫が必要です。
また、コミュニケーションの活性化やモチベーションの向上という部分はすぐに実感できるものではないため、効果が感じられるまで時間がかかるのも覚悟しておかなければなりません。
運用や定着までサポートしてくれるピアボーナスツールもあるので、不安な場合はサポート体制が手厚いものを選びましょう。
3.ルールの明確化
メリットの多いピアボーナス制度ですが、同僚からの評価を気にするあまり本業に差し障ることも考えられます。
そのため事前に褒める基準やルールを決めておくなど、トラブル回避のために準備しておきましょう。あらかじめ導入の目的について社員と共有しておくことも大切です。
ピアボーナスを選ぶ際のポイント3つ
多くのピアボーナスツールがありますが、より効果を出すためには企業に合ったものを選ぶ必要があります。
ピアボーナスツール選びで失敗しないためには、下記ポイントを意識してくださいね。
- チャットツールとの連携
- ツールの使いやすさ
- サポート体制
1.チャットツールとの連携
社内の連絡にChatworkやSlackなどのチャットツールを使用している企業は多いでしょう。
ピアボーナスツールの中には、こうした既存のチャットツールと連携できるものも多くあります。
全く新しいツールを導入するのに比べ、既存のツールを活用した方が定着度も早いはず。
社内でチャットツールを使用している場合は、「どのチャットツールと連携できるのか」という視点が選択基準の1つとなります。
2.ツールの使いやすさ
ピアボーナスツールによって、様々な機能が付いています。
機能が多すぎると操作が複雑になりますし、かといって少なすぎると不便な面も出てくるでしょう。
ピアボーナスツールによっては、報酬と合わせてメッセージを送る機能や掲示板機能が付いている他、社内報機能が付いているものもあります。
社内ニーズを把握し、必要な機能はありつつもシンプルなツールを選んでください。
カラフルなメッセージカードや拍手機能が付いているなど、社員が楽しんで使えるものを選ぶのも良いですね。
3.サポート体制
忘れてはならないのが、サポート体制の有無です。
特に初めてピアボーナスツールを導入する場合、どこでトラブルが起きるか分かりません。
スムーズに運用していくためには、スムーズなサポートが受けられるものを選ぶのも大事なポイントです。
まとめ
テレワークの普及をはじめオンラインでのやり取りが増えるとともに、企業のあり方も少しずつ変わってきています。
そんな中でも社員間のコミュニケーションを良くしつつ社員のモチベーションを上げ、人材の定着にもつながる「ピアボーナス」。
ピアボーナスを上手く使えば、企業が持つ課題を解決し、組織力向上につなげることができるでしょう。
ぜひ自社に合ったピアボーナスツールを見つけ、組織発展の一助としてください。