女性の心をキャッチ!「かわいいデザイン」をつくるレイアウト&効果の小ワザ参考例

みなさんは、女性をターゲットにした広告を制作するとき、どんなことに気をつけていますか?

女性は、男性よりも細かいところまで視線を向けているそうです。そのため、デザインでほんの少しの変化や動き、工夫をつけることで、女性の心をくすぐり、結果的に印象に残りやすい広告を制作することができます。

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広告を制作するときに大切にしたいのが、女性の心をつかむ「フック」をたくさん用意しておくこと。それが結果的に、効果のある広告につながると思います。いくつかの事例を参考に考察していきましょう!

装飾をふやす

例えばこちらは、「箱根スイーツコレクション 2014」の広告。
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箱根で行われているスイーツの祭典。毎回、可愛らしいポスターやパンフレットが街を彩っています。ターゲットは恐らく「若い女性」。温泉街にはあまり行かない、若い層に関心を持ってもらうためのイベントだと予想します。だから、温泉のイメージを一掃し、思いっきり「かわいい」に振り切ったデザインを採用しているのでしょう。

  • フリルモチーフを多用
  • 背景を水玉模様に
  • ハート型ピンなど、ハートモチーフを多用
  • 背景をベタ塗りにせず、水玉模様に
  • スイーツの写真をただ並べるのではなく、ポラロイドカメラ風+もこもこに

…など、たくさん装飾をいれ、あらゆる箇所で工夫をしていることが分かります。これらはすべて「カワイイ」と思う感情を刺激する「心のフック」につながるのです。

ここまで装飾を多用すると、ごちゃごちゃしてしまう場合があります。でもこの広告では全体の色使いを「ベースカラー:ピンク」「アクセントカラー:水色」と設定し、ごちゃごちゃ感をある程度抑えているのです。配色の基本的な考え方は、creiveのこちらの記事で詳しく紹介しています。

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こちらのカクテルパートナーのパッケージも「装飾」で工夫している例ですね。

ピンクの背景色には濃淡に微妙な差をつけてうっすらとストライプ模様にし、リボンの装飾を。「Dear Pink」という文字にもバラなどの装飾をつけて「カワイさ」を演出しています。

背景をピンク1色に、リボンをただの黄色帯に、Dear Pinkの文字の装飾をとってみた状態を想像してみると、全体の印象がまったく違いますよね。

世界観を統一する

ワコールの「ブラ・リサイクル」のサイトを参考にしてみましょう。
ワコール全ブランドが対象なので、ターゲットは「幅広い年齢層の女性」が予想されます。なので、さきほどのスイーツコレクションよりもかわいい要素は少なめです。
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しかし、「刺繍模様」をメインビジュアルにすることで、ある程度のカワイさをキープし、読み手にインパクトを与えることができます。

また、この広告が統一している世界は「刺繍の世界」

右上のピンクの四角い枠と、SPECIALMOVIE配信をお伝えするマルアイコン。こちらは縁に「縫い糸」を連想させるあしらいが施されているのがお分かりでしょうか。

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サイトの下部にも、ボタンに刺繍模様を活用するなど、最後までしっかりと世界観を統一しています。スケールが大きい言い方になりますが、「広告を読み終わるまで夢から覚めないように徹底する」ことはとても大切なのです。

女性ならではの単語をコピーに盛り込む

こちらのドーズ美容外科の広告は…リアルですね。美容外科なのでメインターゲットは女性ですが、かわいいとは少しジャンルが違う…。リアルな現状を訴えている広告になります。
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「ホウレイ線」

男性よりも、圧倒的に女性が気にしているイメージがありませんか?その「女性ならではの悩み」をコピーに入れることで、女性の目をひきつけることができます。

「シワ」ではなく、ちょっと工夫して「ホウレイ線」と言い切ってみる。このような、言葉のチョイスも重要なポイントです。

細い書体のフォントを使用する

繊細なイメージを伝えたいなら、フォントの選び方を工夫するだけでも女性らしさを増やすことができます。先ほどのドーズ美容外科の広告はインパクトを与えることが重要だったため、文字は極太でしたが。

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こちらはロペピクニックのサイトを一部引用。トップ画像の真ん中に、細い筆で書いたような文字が配置されています。線の細さは「繊細さ」の表現になり、「女性らしさ」を現すにも適しています。女性向けの広告をみたとき、手書き文字フォントや細めの明朝が多用されるのもそのためです。

線が細い、色が薄いと「目立たない」という問題もでてくるので、「しっかりとスペースをとる」「背景色との色のバランスを考える」ことも大切。ロペピクニックの場合、人とキャッチコピー、ロゴとのスペースをしっかり空けていますよね。しかし、それだけでは単調になりがちなので、背景色に黄色と白の模様を入れるなど、しっかり「装飾」でフックを残しています。

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ユナイテッドアローズ系列green label relaxingの広告でも、細い文字フォントが採用されていました。こちらはフォントのかたちを少し変更し、文字に動きをつけることでフックをつくっています。

イラスト・モチーフを活用する

色使い、女性モデルさんを起用する、それ以外で大きなインパクトを与えられるのがイラストです。

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安野モヨコさんのイラストを活用した宝島社の広告は、大きな話題になりましたよね。

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メインビジュアルは商品でも、このように大きなインパクトを与えることができます。また、立体物よりも平面的なので、テイストや色使いにもよりますが、いい感じに商品の存在感を消さずに済みます。

人気イラストレーターさんにイラストを毎回依頼するのは難しいので、女性に人気のイラストの雰囲気やジャンルをチェックし、それに似たテイストの素材などを活用したり、自分で書いてみるのも選択肢のひとつ。人気イラストレーターさんをいくつかピックアップしてみました。

100%ORANGEさん

蛯原あきらさん

森本美由紀さん

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2013年に亡くなられましたが、今も根強い人気を誇るファッションイラストの代名詞。公式ブログでは、今でも作品を拝見することができます。

カナヘイさん

グラデーション・テクスチャを効果的に使う

最初の「装飾」と似ている効果の使い方ですね。「大人の女性」「クールな女性」がターゲットという場合は、可愛すぎないデザインにすることも大切。テクスチャーやグラデーションなどを使ってフックをつくりつつ、ゴテゴテ感をなくすことができます。

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ベタ塗りの背景にするよりも、差をつけることができます。「何かかわいい」などと言われる「何か」とは、こうした見えづらい変化や装飾をつけることで生まれる「ちょっとした違和感」だったりします。

最後に

実際の画像や広告を参考に「女性向けのデザイン」についていくつかご説明させていただきましたが、いかがでしたか。デザイン全般にいえる基本ルールも含まれていますが、今後、女性向けの広告を制作する際には以下のことに気をつけてデザインをしてみてください。

  • 装飾をいれてみる
  • 「ここ、分かってもらえないかもなぁ」というような細かな部分も、しっかりと「女性らしさ」を意識した装飾をいれてあげましょう。

  • 世界観を統一する
  • 「かわいい世界」「刺繍の世界」「ピンクの世界」「スイーツの世界」など、デザインをはじめる前に世界観を決め、その世界にあった素材や色使いを徹底してください。世界を決めることで、素材探しも難航しづらくなりますよ。

  • 言葉のチョイスにも「女性」を意識
  • お菓子を「スイーツ」、化粧品を「コスメ」、「嬉しい」を「ふわふわした気持ち」などと言い換えるなど、ちょっと意識を高めてコピーを書くことで全体の響きがより「女性らしく」なります。

  • フォントの使い方にこだわる
  • 細めフォント、手書きフォントなどは無料でダウンロードできるサイトも多くあります。
    また、フォントを配置するさいは、動きをつけたり、文字間の配置を詰めたりひろげたりなどの工夫をしてみると、より完成度の高い広告になります

  • イラスト、モチーフを使ってみる
  • こちらもフリー素材を探せばカワイイものがたくさんあるので、効果的に使ってみてください。