クリエイティブライセンスってなに?とあなたは今考えていませんか。クリエイターならば著作権などのライセンス関連はかならず守っていかなければなりません。
自分はインターネットに作品などを公開しないから関係ないやと思っていませんか?
実はクリエイティブコモンズライセンスはクリエイターはもちろん、インターネットから出典や引用を使う全ての人が知っておかなくてはいけない知識です。
そこで今回は最近多くのクリエイターに使われているライセンスの1つ「クリエイティブコモンズライセンス」についてそのメリットや使い方、注意点などを徹底的に解説していきます。
この記事を読むことで今からでもライセンスを登録、使用することができます。ぜひご参考にしてください。
クリエイティブコモンズライセンスとは?
つまり、作品の作り手が「この条件なら使ってもいいよ!」というのを明確に明示したのがクリエイティブコモンズライセンスです。
インターネットで著作物を効率的に流通させることができるようになった現代では、作者が自分の作品を従来よりも多くの人に見てもらうことが可能になりました。
自分の作品を保護してしまうのは多くの人に作品を見てもらいたいと思っている人にとっては非常にもったいないです。
クリエイティブコモンズライセンスを使用することで自分の著作権を保持しつつ、作品を広めることができるのです。
世界各国で著作権に関する法律は異なるため、日本ではクリエイティブコモンズジャパンがそのライセンスを規定しています。(クリエイティブコモンズジャパン)
検索動向を見ることができるGoogle Trendsで「Creative Commons Licence」を調べてみると、2000年代に入ってから徐々に知られるようになってきたことが分かります。
また、地域別で見ると、スペインやポーランドなど欧州を中心に人気が高くなっています。一方で、アジア圏ではまだこれからというところのようです。
クリエイティブコモンズライセンスと著作権法の違い
クリエイティブコモンズライセンスと著作権法の違いを解説する前に、「著作権法とは何か」を一度おさらいしましょう。
著作権法とは、文学から絵・音楽・写真・映像などの「作品」は作り手に全て権利があることを明確にしたものでした。日本の場合は作品を作ったと同時に著作権が発生します。
著作権で保護された作品には「ALL rights reserbed」が記載されています。「ALL rights reserbed」を作り手の許可なく勝手に自分のサイトなどで使うのは著作権法違反です。
それに対し、著作権が期限切れになった作品、権利が放棄された作品は「パブリックドメイン」と呼ばれ、世界中の誰もが使える権利を持ちます。
これがザッとした著作権法のおさらいです。
(出典:https://creativecommons.jp/)
しかし、インターネットが発達して誰もが自分の作品を世界中に発信できるようになった結果、この二つの著作権だけでは対応することができなくました。
クリエイティブコモンズライセンスは著作権保護とパブリックドメインの中間の権利
インターネットが発達した結果、作品を創っている人の中には自分の作品をある一定のルールの間なら使用してもいいよという人たちが現れてきました。作り手たちにとっても自分の作品を多くの人たちに見て欲しい、広めて欲しいという気持ちもありました。こうなると従来の二つの権利では極端すぎて明確なちょうどいいルールがありませんでした。そこで作られたのが「クリエイティブコモンズライセンス」です。
(出典:https://creativecommons.jp/)
つまりクリエイティブコモンズライセンスは著作権保護とパブリックドメインの良いところを抜き取った中間的な権利のことを指します。
クリエイティブコモンズライセンスを使うことによって、作り手は自分の作品の著作権のルールを自由自在に決めながらも世の中に自分の作品を公開できるようになったのです。
クリエイティブコモンズライセンスを著作者が利用するメリット
インターネットで著作物を効率的に流通させることができるようになった現代では、作者が自分の作品を従来よりも多くの人に見てもらうことが可能になりました。これは文書や画像や動画のようなインターネットでの流通に適した作品を扱うクリエイターには大きなメリットになります。
しかし、インターネットを介せばだれでも容易に作品をコピーしたり改変したりしてネット上に公開することができるため、意図しない形で作品が利用されることもしばしばあります。そこで著作権でガチガチに利用制限していては思うように作品を見てもらえなくなります。かといってどんな利用のされ方も許してしまうのは本望ではないでしょう。そんなときにクリエイティブコモンズライセンスの利用メリットが出てきます。
クリエイティブコモンズライセンスでは「Some rights reserved」という著作権保持(All rights reserverd)と著作権放棄(Public domain)の間の権利を規定しています。例えば「作者が著作権を保持しつつ作品の二次利用を許可したり、権利の帰属表記(Attribution)を不要にしたりできますよ」とこのライセンスを使えば作者は利用者に細かく意思表示できるようになるのです。
クリエイティブコモンズライセンスの使い方
クリエイティブコモンズライセンスを使うにはChoose a Licenseを利用する方法が便利です。自分が制限したいことにチェックを入れていくだけで最適なクレジット表記ができあがります。生成されたコードを作品を掲載したページに貼り付けるのもよいですし、画像をデータ・資料からダウンロードするのもテキストでCC-BY-SAなど付記するのもいいと思います。
また、クリエイティブコモンズライセンスは次の4つのライセンスの組み合わせで表記されています。
表示
人物で示されるこのアイコンは「表示」を意味します。このライセンスでは、作品の複製、頒布、展示、実演を行う場合は著作権者の表示が必要なことを示しています。
非営利
ドルを打ち消すアイコンで描かれるこのアイコンは「非営利」を意味します。このライセンスでは、作品の複製、頒布、展示、実演を行う場合は、非営利目的での利用に限定することを示しています。つまり商用利用ができないということです。
改変禁止
イコールで示されるこのアイコンは「改変禁止」を意味します。このライセンスでは、作品の複製、頒布、展示、実演を行う場合は、どんな改変も禁止することを意味します。つまり二次創作物として利用することはできません。
継承
ぐるりとまわるアイコンで示されるこのアイコンは「継承」を意味します。このライセンスでは、作品を改変・変形・加工した二次作品についても元の作品のライセンスを継承させた上で頒布を認めることを意味します。簡単に言えば、原作のライセンスと同じライセンスを用いなさいということです。
クリエイティブコモンズライセンスの種類
それではクリエイティブコモンズライセンスにどのようなバリエーションがあるのか1つずつ確認していきましょう。
CC BY(表示)
CC BYは「表示」ライセンスのみのライセンスです。作品のクレジットを記載しておけばコピーして公開したり改変したり営利目的で利用したりできます。
CC BY SA(表示ー継承)
CC BY SAは「表示」と「継承」の組み合わせです。営利・非営利問わず作品のクレジットを記載しておけばコピーして公開したり改変したりできますが、原作のクリエイティブコモンズライセンスを作った作品に適用しなければいけません。
CC BY NC(表示ー非営利)
CC BY NCは「表示」と「非営利」の組み合わせです。非営利目的に限り、作品のクレジットを記載した上での作品のコピーや改変をして作品を頒布することができます。
CC BY ND(表示ー改変禁止)
CC BY NDは「表示」と「改変禁止」の組み合わせです。営利・非営利目的問わず作品のクレジット(作者やタイトルなどの詳細な情報)を表記した上での利用はできますが、原作を改変したものを頒布することはできません。
CC BY NC SA(表示ー非営利ー継承)
CC BY NC SAは「表示」と「非営利」と「継承」の組み合わせです。作品のクレジットを表記した上で作品をコピーしたり改変したりなどできますが、利用は非営利目的に限ります。また、二次作品を頒布する場合のライセンスは原作のクリエイティブコモンズライセンスに従わなければなりません。
CC BY NC ND(表示ー非営利ー改変禁止)
CC BY NC NDは「表示」と「非営利」と「改変禁止」の組み合わせです。作品のクレジットを表記した上で原作を改変せずに非営利でのみ作品を頒布することができます。
以上がクリエイティブコモンズを使用して明確化できる6つのルールです。
作品を作る側、作品を使用したい側どちらもこのルールを知って気持ちの良い引用や出典を心がけましょう。
では、次章からクリエイティブコモンズライセンスを実際に使用する方法を紹介します。
まずはあなたが作り手として実際に使用する時の説明をしていきます。
作り手としてクリエイティブコモンズライセンスを使う場合
もしあなたが何か作品を作り、クリエイティブコモンズライセンスをその作品に使用したいと思った時の注意点、手順を説明していきます。
しかし、クリエイティブコモンズライセンスには注意すべき点もあります。
クリエイティブコモンズライセンスの注意点
非常に便利なクリエイティブライセンスですが、一つだけ注意しなくてはいけないポイントがあります。それが「一度作品につけたライセンスは後から変更できない」ということです。
例えば営利目的で作品を使うことを許可していたが、2年後などに作品がよく出回り自分の作品で他の企業が利益を得ていることを不満に思い、営利目的での使用を取り消そうとした。というケースがよくありますが、ルール上、権利を取り消すことはできません。
そのため、ライセンスを作品につけるときは後々のこともよく考えて、選ぶことが大切です。
クリエイティブコモンライセンスを使用する時の2つの手順
では以上の注意点を念頭に置いた上で、実際にライセンスを取得する手順を紹介します。ライセンスは2つの手順で取得することができます。
- 自分の希望するライセンスをChoose a Licenseから取得する
- ページ内に指定される内に設置されている2つの質問に回答し、ライセンスボタンのHTMLコードを取得する。それを自身のホームページに追加する。
以上が手順になります。
注意点だけ念頭に置きつつ、クリエイティブコモンズライセンスを活用して多くの人に作品を見てもらえるような環境を整えましょう。次はクリエイティブコモンズライセンスのついた作品を自分のホームページなどに使用したい時の手順を紹介します。
クリエイティブコモンズライセンスのついた作品を自分のホームページなどで使用したい場合
では自分がクリエイティブライセンスのついた誰かの作品をホームページなどで使用したい場合を紹介していきます。
手順は以下の2点です。
- クリエイティブコモンズライセンスのついた画像を見つけてダウンロードする
- 自分のサイトにクリエイティブコモンズライセンスをを記述して使用する
では解説していきます。
1.クリエイティブコモンズライセンスのついた画像を見つけてダウンロードする
クリエイティブコモンズライセンスが着いた画像は主に以下のサイトからダウンロードすることができます。
- Flickr
- Google画像検索
- CC Search (Creative Commons独自の画像検索ページ)
- ウィキペディア・コモンズ
今回はCC Searchを使用します。
↓今回は猫の写真を調べていきます。
検索をし、猫の一覧画面が出て、一つの写真をクリックしました。写真の画面を見ると右手にライセンスマークが表記されています。
このマークは「作品のクレジットを記載しておけばコピーして公開したり改変したり営利目的で利用したりできますよ」という意味でしたね。
この画像を保存して次の手順です。
2.自分のサイトにクリエイティブコモンズライセンスをを記述して使用する
いよいよ自分のサイトにクレジット情報(ライセンス情報)を記載します。
具体的にクレジット情報とは以下の6つのことを指します。
- コピーライトマーク
- 著作者名
- 公表年
- 作品タイトル
- 指定されたURL
- 二次的著作物(改変された作品)の場合は元の作品のクレジットと元の作品を加工した著作物であることを記入
これを先ほどの写真と当てはめると四角の部分がタイトルとクリエイターなので
- コピーライトマーク - 記載なし。
- 著作者名 - Ewen Robertsを記載。
- 公表年 - 記載なし。
- 作品タイトル - Mac in the "cat room"を記載。
- 指定されたURL - 指定されてはいないもののクリエイター、ユーザーのためにURLを貼っておきます。
- 二次的著作物 - 記載なし。
3.完成版は以下の通り
Ewen Roberts - Mac in the "cat room"
記載の方法は明示されてはいないものの、シンプルに見えやすい方法を取るのが一番です。以上の手順を駆使して、しっかりとルールを守って自分のサイトなどに使用したりしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
クリエイティブコモンズライセンスのルールを守り、その特徴を生かして、作り手や自分にとってもWIN-WINの気持ちの良い活用ができるように、今日の記事をおさらいしてみてください。この記事が少しでも参考になれば幸いです。
※クリエイティブコモンズライセンスについては著作権がらみであるため、TPP交渉の中で注視していかなければならないことの1つです。クリエイティブコモンズが投稿した記事Trans-Pacific Partnership Would Harm User Rights and the Commonsを読んでみてください。