名寄せ無しにはマーケティング活動や営業活動ができない理由とは?

マーケティングや営業の仕事に携わると、「名寄せ」と言う言葉に出会うことがあります。社会人になるまでは誰かが教えてくれるわけではありませんが、ビジネスの基本のうち重要な概念となるため、知っておくと便利です。この記事では名寄せの基本から具体的な手順までを説明していきます。



名寄せとは

顧客の情報を管理する上での名寄せとは、複数のデータベースにまたがっているある情報(個人情報が含まれる顧客情報など)を1つのIDで管理することで保持データの重複をなくすことを言います。
元々は金融機関における顧客情報を名寄せするところから広まった概念ですが、今は広くビジネスの基本的な概念として知られています。

名寄せの必要性

マーケティング活動においては、SFAやCRMといったツールを使用して顧客情報を管理することが多くなっています。クラウド上で便利に管理できるといった特徴がある反面、データの入力を複数人で行うことも多いためデータの正確性や項目にばらつきが出てきたり同一顧客のデータが複数発生してしまったりすることがあります。
特定の企業や個人の名称や住所などの情報が常に同一であるとは限らないため、定期的に正しい情報を確認し、更新した上でデータを持つことは、商取引を行う上で重要と言えます。

名寄せができておらず、特定の法人・個人の情報を保持している場合には、誤って同じ案内を複数送ってしまうなどのトラブルが起きる可能性が高くなってしまい、取引先からの信頼を失う原因や、混乱を発生させる原因になりかねません。

そういった事態を回避するために、名寄せが必要だと言えるでしょう。

部門毎にデータを保持している場合も増えている

営業を行う部署も近年ではフィールドセールスやインサイドセールスと部署が分かれており、さらにマーケティング部門も別にある場合が多く、社内においてもデータを保持するステークホルダーが増えつつあります。こういった状況を踏まえ、会社全体で顧客情報の取り扱い方針を定める必要があるでしょう。

名寄せができないとマーケティング活動や営業活動ができない理由

名寄せがきちんとできていない場合、本来は1件の顧客に対してデータベース上に複数の顧客データがあるなどの状況も起こりえます。そうなった場合、キャンペーンを実施する際のDMを誤って複数送るなど顧客にとって迷惑な行為を行ってしまう恐れがあります。サービス案内や営業をする以上、こういった信頼を失いかねない事態は避けるべきです。
そのため、名寄せは営業活動やマーケティング活動の前提だと言うことができます。
同じ理由で、企業買収などで企業の統合が起こった際などは、特に慎重にデータを扱うことが求められるでしょう。

名寄せの種類

名寄せには法人の名寄せと個人の名寄せがあります。前者は契約などの際に、後者は主に営業・マーケティング活動の際に使用するデータです。
ここからはそれぞれどういった項目で名寄せをしていけばいいか見て行きましょう。

キーとなり得る項目とは?

名寄せをして、特定のIDなどを元に情報を一元化する時に使える項目はいくつかあります。代表的なものは以下です。

ー自社の顧客コード
ー法人番号の活用
ー個人の場合はメールアドレス

日本でも数年前からすべての法人に法人番号の申告が求められ、企業信用調査報告書で確認している人も増えてきているのではないでしょうか。

リードなどの個人に紐付いた情報を取り扱う場合は、メールアドレスがもっとも変更可能性が低い情報としてユニークなキーになり得ることが多いです。

データ重複を避けるには

データの重複を避けるには、どういった手段があるのでしょうか?できれば登録の段階で重複を排除する仕組みを持っておきたいですね。

CRMなどの設定を活用して重複登録を防ぐことも可能

CRMの設定で、重複すると思われるデータやリードに対してアラートを出すことが可能です。自社で使用しているSFAや CRMにこういった機能がないかどうか確認してみましょう。設定できる場合、重複の可能性があると判断された段階で赤字でのアラートなどが出るようにすることができます。

名寄せをするプロセス

ここでは、具体的にどのような手順で名寄せを行っていくかと言う段階を細かく見ていきましょう。

抽出するデータの決定

どのようなデータベースからデータを抽出していくかを決定します。社内の複数部署にまたがっているデータなどの取り扱いを決めることも必要です。

対象の選定

どのようなデータの項目を統合していくかと言うことや、どの項目をキーにして名寄せを行うかと決定します。キーに使用する項目は完全にユニークである必要があるので注意しましょう。

データクレンジング

データのそれぞれの項目に不備がないかどうかを細かく確認していきます。具体的には、住所に含まれる数字の半角や全角の指定が異なっていないかと言うことや、電話番号に含まれるハイフンの取り扱いなどに相違があれば各データの修正が必要になります。
事前にデータの形式を決めておき、それに基づいてデータをクレンジングしていきましょう。

マッチング

データのクレンジング後、これまでに決定した方針を元に、実際にデータマッチングの作業を行います。
キーとなる項目を決め、1つのキーとなる項目に紐づくデータが1つとなるように重複をなくしていきます。

方法はエクセルの関数を始めとして、使用しているSFAやCRM上でも行うことが可能なため、自社の状況に応じた方法を選びましょう。

自社におけるリソースがない場合

コア業務が繁忙であるため、こういった細かい作業をやることが難しい、と言う場合もありますよね。そんな場合は以下のように自社で作業せずに外部に委託する、と言う選択肢もあります。慣れない中で作業しなければならない場合は他社に依頼した方が良い場合などもあるので、状況や予算に応じて柔軟に検討してみましょう。

リードの取得元がデータをインポートしてくれる場合も

外部メディアや広告代理店経由でリードを取得している場合、広告の出稿と共に指定したソフトウェアへのアップロード作業まで代行してくれる場合もあります。こういった作業を代行してもらえる場合は、リードの重複はその施策内で取得した分のみ弾かれるので、ハウスリストとの名寄せを改めて行う必要があるでしょう。
ですが、ある程度作業の負担が軽くなることは間違いないので、状況が許せば上手に活用したいですね。

専門業者に外注を検討するのも手

データクレンジングや高精度な名寄せを専門に請け負ってくれる外注先に、定期的にお願いをするというのも一つの手です。作業をお願いすることによって、コア業務に集中して成果を出せるなら素晴らしいですよね。

まとめ

この記事では、なぜ名寄せが企業にとって重要なのかと言う前提から、具体的なステップまでを説明してきました。

現在顧客データは企業における最も重要な資産のうちの一つとなっています。

名寄せを始めとするデータの更新については一度やって終わりといった性質のものではなく、トラブル防止の観点からも、定期的に実施することが望ましいため頻度なども定めるのが良いでしょう。

名寄せのプロセスには細かい作業も含まれており煩雑な部分もありますが、ビジネスにおいて基本的かつ重要な概念・知識となるので、正しい知識を持って顧客情報の取り扱いに努めたいですね。









この記事をかいた人

BtoBマーケお姉さん

メーカーを経て6年ほどIT業界でBtoBマーケティング、セールスに従事。広告運用~リードジェネレーション領域が得意。スタートアップから大手外資企業まで100社ほど支援経験あり。投資系メディアのアドバイザリーなども行う。 Twitter:@BtoB_woman