クラウドファンディングとは|仕組み・やり方の解説から各サイトの比較まで

クラウドファンディング

「言葉は聞いたことがあるけれど、クラウドファンディングってどういうもの?」
「実は仕組みとかをちゃんとわかっていない・・」

クラウドファンディングは、なにかを成し遂げたいクリエイターや起業家が、活動のための資金を調達する新しい手法として注目されています。

最近では、日本でも積極的にクラウドファンディングを利用してプロジェクトをスタートさせるひとも増えてきました。

しかし、まだまだクラウドファンディングという言葉や手法は一般化していないのではないでしょうか。

この記事では、クラウドファンディングの基本的な仕組みやメリット・デメリットから、実際にクラウドファンディングをはじめるためのやり方、各サイトの比較まで徹底解説します。

クラウドファンディングとは?

クラウドファンディング(CrowdFunding)とは、「群衆」を意味する”crowd”と「資金調達」を意味する”funding”を組み合わせた言葉です。

クリエイターや起業家(以下、起案者)が、ある製品やサービスを開発や、アイデアの実現などの成し遂げたい目的のために、インターネットを利用して不特定多数のひと(以下、支援者)から資金の出資を募る仕組みでです。

クラウドファンディングの仕組みと種類

クラウドファンディングの仕組みはいたってシンプルです。

先ほども記述したように何か目的を持った起案者がその目的のために、資金を調達したいと考え、その目的をクラウドファンディング上で公開します。その目的に共感した支援者が起案者に資金を提供することでクラウドファンディングは成立します。

もちろん、支援者はタダでその活動を支援するわけではありません。起案者は支援者に対して何かしらのリターンを返さなくてはいけません。

その時のリターンは主に5種類あります。一つずつ詳しく解説していきます。

寄付型クラウドファンディング

文字通り寄付型クラウドファンディングは寄付前提での資金提供であるため、リターンなしであることが前提です。

寄付型クラウドファンディングなどで多いのが大学の研究、社会問題解決などの分野です。大学の研究報告を受けることができたり、国際協力をしたという証書などがリターンとして送られてくることがよくあります。

大学の研究や社会問題解決の活動などは資金繰りなどが困ることが多いですが、クラウドファンディングを利用すれば資金を集めることができます。

購入型クラウドファンディング

購入型クラウドファンディングはリターンとしてモノやサービスが提供されるクラウドファンディングです。

例えば、Barを新たにオープンさせたいと思った時のリターンはその店で使えるドリンク無料券や、食事何割引きなどを受けることができます。また地方自治体などが資金を調達した時のリターンなどはその地域の特産物などを受けれることができます。

起案者側にとっても、購入型クラウドファンディングを通して、自分の店、街を知ってもらう新たなファンを同時に獲得することができます。

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)

融資型クラウドファンディングは資産運用を行いたい投資家(出資者)と資金を調達したい起案者を繋ぐクラウドファンディングです。

 

融資型クラウドファンディングとはソーシャルレンディングとも貸付型クラウドファンディングとも呼ばれます。

融資型クラウドファンディングの起案者は企業などが多く、出資者側にとってもその企業のミッションや理念、事業に共感して少額から融資をすることができ、なおかつ利息も得られることができます。
起案者側にとっても銀行よりも気軽になおかつちょっとした少額の金額から融資を受けることができます。

ファンド投資型クラウドファンディング

ファンド投資型クラウドファンディングは会社などの事業に対して投資をするクラウドファンディングのことをいいます。

普通の投資に比べ、社会貢献の要素が強いこともファンド投資型クラウドファンディングの特徴です。
出資側にとっては自分の出資している事業が大きく成長したした時に成長した分だけそのリターンを受けることができます。(売り上げの何パーセント、利益の何パーセントという形でリターンを受けることができる)

そのため、事業が成功した時には、融資型クラウドファンディンよりもリターンの割合は高いです。
起案者側にとっても必要なお金をより多くの人から集めることができたり、その事業、商品の宣伝にもなります。

株式投資型クラウドファンディング

株式投資型クラウドファンディングは株式取引の形をクラウドファンディングに応用した方法です。まだ株式公開していないベンチャー企業などに投資をして投資先の企業が上場、M&Aの時にリターンを得るというものです。つまり、投資のリターンは株式になります。

出資側にとっての金銭的リターンが一番大きいのはこの株式投資型クラウドファンディングです。早い段階からベンチャー企業に投資をすることができ、応援することができます。

起案者側のベンチャー企業にとっても調達額に制限があるものの、多数の人から資金を調達、会社のことを宣伝することができます。

以上がクラウドファンディングの5つの種類、リターンです。まとめると以下の表のようになります。

クラウドファンディングの種類 寄付型クラウドファンディング

 

購入型クラウドファンディング 融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング) ファンド投資型クラウドファンディング 株式投資型クラウドファンディング

 

リターン なし モノ、サービス 利息 分配金 株式

クラウドファンディングのメリット・デメリット

では次にクラウドファンディングのメリット・デメリットを起案者側、出資者側の目線から解説していきます。

起案者側のメリット・デメリット

メリット デメリット
・必要な資金を調達することができる。

・クラウドファンディングを通してファ ンを作ることができる。

・期間内に必要な資金が集まらない場合

    がある。

・WEB上にクラウドファンディングで調 達した情報がずっと残る。

起案者側の最大のメリットは必要な資金を調達することできるということです。
クラウドファンディングがなかった時は資金を調達するのには一苦労でした。

さらに、クラウドファンディングを通してその商品、会社の宣伝もすることができます。
しかし、期間内に必要な資金が調達できない時もあれば、調達できなかった情報などがWEB上に残るデメリットもあります。

出資者側のメリット・デメリット

メリット デメリット
・自分と同じ思いを持った会社、人に投 資をすることができる。 ・リターンが得られない場合もある。

・集めた資金がしっかりと使われている かが不透明。

出資者側のメリットは従来よりも投資の幅が広がったことで、自分が応援したいと思う会社、人に投資し、うまくいけばリターンを得ることができることです。自分が主体となり、行動ができない時にせめてお金だけでもという形で資金を応援という形で出資することができます。

しかし、そのプロジェクトが失敗してしまった場合にはリターンが得られることができなかったり、自分の出した資金が本来の目的通りにしっかりと使われているのかが不透明であったりします。

クラウドファンディングの歴史

念のため歴史についても確認しておきましょう。

言葉自体は比較的新しいものですが、不特定多数の人々から資金を募り、何かを実現させるという手法自体は古くから存在します。

ここでは、それら古くからの手法についての言及はせず、特に近年におけるインターネットを通しての資金調達手法としての「クラウドファンディング」の歴史について触れたいと思います。

クラウドファンディングサービスは、海外、特にアメリカにて2000年以降よりいくつかのサービスがリリースされています。
その中でも特に有名なのは、2008年にリリースされた「IndieGoGo」、そして翌年2009年にリリースされた「Kickstarter」です。

特に、Kickstarterにおいては、2014年現在でも総支援額および総支援者数は圧倒的な規模を誇ります。

日本では、2011年4月にリリースされた「READYFOR」が最初のクラウドファンディングサービスです。
その後、遅れること2ヶ月、今となっては日本最大級となった「CAMPFIRE」がリリースされています。

crowdsourcing.orgによれば、世界におけるクラウドファンディングの市場規模は、2013年は5,100億円、2014年は1兆4000億円になると予測されています。
日本に限定して言えば、2013年における市場規模は約6億円で、海外に比べるとまだまだ小さいのが現状ですが、今後どんどんと成長していくことが予想されています。

[出典:日本の主要クラウドファンディング 累計支援額 月次推移 (積み上げグラフ) | visualizing.info]

クラウドファンディングサイトの紹介と比較

では実際にクラウドファンディングサービスをを提供している会社とそのサービスの特徴を解説していきます。

Campfire

CAMPFIRE(キャンプファイヤー)- クラウドファンディング

株式会社ハイパーインターネッツが運営する、国内最大級のクラウドファンディングサイト。
国内最大級なだけあって、日々、多種多様なプロジェクトが投稿されています。

日本最大級とだけあって、ジャンル問わず、様々なプロジェクトが登録をし、多くの人が支援をしています。今まで累計17,000件のプロジェクトが850,000人の人々から総額86億円を集めてきました。(2018年11月現在)さらに、Campfire自身も融資サービスを開始しているため、もし目標金額に届かなくても、Campfireから融資を受けることができます。

どこから使っていいかがわからないという方はまずは国内最大級のCAMPFIRE(キャンプファイヤー)から利用してみてはいかがでしょうか。

READYFOR?

READYFOR? (レディーフォー) | クラウドファンディング

READY FOR?はオーマ株式会社が運営する、日本初のクラウドファンディングサイトです。READY FOR?の特徴は個人やグループなどの地域貢献を中心としたプロジェクトが多いことです。

成功事例としても沖縄離島の急病患者を救うために医療用飛行機を購入したい!というプロジェクトが3,600万円を調達したり、群馬県桐生市の美術館が美術館のことを全国の人に知ってもらって、訪れてもらいたい!というプロジェクトが748万円調達したというものまであります。

GREEN GIRL

GREEN GIRL|女の子のためのクラウドファンディングサイト

GREENは株式会社ワンモアが運営する、購入型クラウドファンディングに特化したクラウドファンディングサイトです。

今までにも、アイドルのソロCD制作のプロジェクトが200万円以上を集めたり、人と人とが気軽に繋がることができる足湯カフェを新宿に作るプロジェクトが170万円以上を調達した成功事例があります。

自身のオリジナルの店やものをプロデュースしたい方にオススメしたいクラウドファンディングサイトです。

Cerevo DASH

つくりたい “モノ” が “カタチ” になるクラウドファンディングプラットフォーム – Cerevo DASH(セレボ ダッシュ)

Cerevo DASHは小型映像配信機器などの製品で有名な株式会社Cerevoの運営するガジェット(目新しい道具、面白い小物)に特化したクラウドファンディングサイトです。

過去には、フォークに差した食べ物の種類や食べ方(抵抗値の変化)に応じてさまざまな音を奏でることができる「食事を奏でるフォーク・スプーン」やスマートフォンでゲームをしている時に「ボタンを押した感触などを伝えてくれる携帯プロジェクト」などが資金を調達してきました。

さらに、プロジェクトの投稿者は、自分のアイデアを投稿し、それが成立することにより、開発資金の他、運営会社のCerevoによって、量産化、販売までのノウハウを支援してもらうことができます。

COUNTDOWN

COUNTDOWN(カウントダウン)- クラウドファンディング

COUNTDOWNはアレックス株式会社と村式株式会社が共同で運営する、世界を目指したユニークであたらしいアイデアが中心のクラウドファンディングサイトです。
革新的で全く新しい製品や、未知の映像、音楽、取り組みなどが多数掲載されており、見ているだけでも刺激を受けます。さらに、ユニークなプロジェクトも多数取り上げられ取りつい応援してしたくなるようなものばかりです。

過去には6歳ドラマーとらたろうが、西日本豪雨の義援金を世界中から募集したいというプロジェクトや世界初!クラウドファンディングで歌舞伎公演!あべの歌舞伎「晴の会(そらのかい)」などユニークなプロジェクトなどが世界中から資金を集めることに成功しています。

MotionGallery

MotionGallery(モーションギャラリー)- クラウドファンディング

Motion Galleryは株式会社バルーン・アンド・カンパニーが運営する、個人やNPOによる創造的な作品を支援するクラウドファンディングサイトです。

従来の、「目標金額に達しなかった場合は成立しない、AllorNothing方式」の他に、目標金額に達しない場合でも、作品のスケールアップやクオリティを挙げる為に必要な資金を得ることができる独自の方式が用意されていることが特徴です。

過去には、誰のための水道民営化?ドキュメンタリー映画「最後の一滴までーヨーロッパの隠された水戦争」日本語制作などの映画制作のためのプロジェクトや初!大阪進出!目指せ3都市公演!名古屋の劇団”演劇組織KIMYO”第18回公演「ハンゲキ」応援プロジェクトなどの演劇のプロジェクトなどが成功しています。

以上が、国内におけるクラウドファンディングサイトのまとめです。

まとめ:今後さらにクラウドファンディングが主流になる

海外では、Kickstarterが有名で、「クラウドファンディング」という方式も一般化しつつありますが、日本ではまだまだ定着しているとはいえない状況です。

しかし今後、今回紹介したようなサービスがどんどん普及し一般化すれば、もっと革新的な製品や、サービスなどが世の中に溢れ、面白い世の中になることでしょう。

皆さんも是非、面白いと思ったプロジェクトを支援してみてはいかがでしょうか!

※今回紹介した以外にも、「こんなのもあるよ!」というサイトがありましたら是非、お問い合わせやコメントでご紹介ください!

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