【数値でチェック】厚労省の調査から見るプログラマーの年収と年収アップの方法

最近、人工知能(AI)などに注目する企業が増えている影響を受けて、プログラマーという職種もまた注目を集めています。大学入試でも情報工学系学部はここ数年人気で、プログラミングを学び、プログラマーを志す若い人は少なくありません。

しかしその一方で、しばしばプログラマーなど情報システム系の仕事は作業量の割に収入が少ないと話題になることもあります。実際のところ、プログラマーの年収はどれくらいなのでしょうか。また、プログラマーが年収を上げるために必要なこととはなんでしょうか。厚生労働省の調査による数字を元に考えます。



賃金構造基本統計調査から見るプログラマーの年収


厚生労働省は毎年、労働者の賃金について「賃金構造基本統計調査」という調査を行っています。この調査を見ることで、職種・性・年齢・企業規模などに細分化された賃金のデータを知ることができます。今回はこのデータを元にプログラマーの賃金を見ていきます。

なお、この調査は、10人以上の従業員がいる企業を対象に行われています。9人以下の小規模な企業に勤めている、あるいはフリーランスのプログラマーについては調査対象外です。

プログラマー全体の平均年収は約416万円

平成29年度の同調査によると、プログラマー全体のデータは「決まって支給される現金給与額」が月額296.8千円「年間賞与その他特別給与額」が599.3千円。この数字を元に計算すると、プログラマーの平均的な年収は296.8×12+599.3=4160.9千円、つまり約416万円です。

また、同調査によるとプログラマーの平均年齢は32.1歳、平均的な労働時間は月166時間、超過実労働時間は月14時間。1ヶ月の勤務日を22日間と仮定すると、1日約8.18時間労働ということになります。自分の年収と比較する時は、年齢などの数字も合わせて考えるといいでしょう。

ちなみに、すべての職種を平均した数値については決まって支給される現金給与額のみ発表されており、こちらは月304.3千円、平均年齢42.5歳です。年齢等が違うため簡単に比較することはできませんが、32.1歳で月30万円弱、42歳で月30万円ちょっとと考えると、平均よりも高めの数字といえるでしょう。

なお、この数字は勤務先の企業規模や性別、年代など関係ないプログラマー全体のデータです。しかし、年収は年代や勤務先の企業規模などによっても大きく変わります。そこで今度は、もう少し細かな要素に分けながらデータを見ていきましょう。

勤務先の企業規模によって年収に100万円近い差が

まずは、勤務先の企業規模から見てみます。企業規模は、労働者が10~99人の「小規模事業者」、100~999人の「中規模事業者」、1000人以上の「大規模事業者」の3つに分けられます。

小規模事業者の場合、決まって支給される現金給与額は月額291.8千円。年間の賞与その他が414.2千円で、これを年収にすると3915.8千円(391万5800円)です。

中規模事業者の場合、決まって支給される現金給与額は月額291.0千円。年間の賞与その他660.4千円、年収になおすと4152.4千円(415万2400円)です。

大規模事業者の場合、決まって支給される現金給与額は月額333.5千円。年間の賞与その他が978.9千円で、年収になおすと4980.9千円(498万9百円)です。

つまり、小規模事業者と大規模事業者とを比べると、平均的な年収の差は100万円あまりにもなるわけです。

男性のほうが平均年収が高いけれども……

性別によっても、年収の違いがあります。

男性の場合は、現金給与額は月額303.6千円。年間の賞与その他620.2千円、年収になおすと4263.4千円(426万3400円)です。

女性の場合は現金給与額が月262.2千円、賞与その他492.1千円、年収にして3638.5千円(363万8500円)です。

ちなみに、この調査によるとプログラマーの女性は平均年齢30.9歳で男性の平均年齢32.3歳よりも低いという結果が出ています。また、勤務年数も男性が6.7年であるのに対し女性は5.7年と短くなっています。会社員の給与は年齢や勤務年数で決まることもしばしばあるため、この差も影響しているのかもしれません。

一番年収が多い世代は55~59歳

世代別に見ていくと、男女ともに年齢が高くなるほど収入が増え、ともに55~59歳がもっとも高い年収を得る年代になっています。この年代の男性プログラマーは現金給与額が月401.6千円、賞与その他925.0千円、年収にして5744.2千円(574万4200円)、女性プログラマーは現金給与額が月419.5千円、賞与その他1936.3千円、年収にして6970.3千円(697万300円)となっています。

プログラマーの年収には属性により200万円以上の幅がある

平成29年度のプログラマーの年収について、「賃金構造基本統計調査」を全体の平均、企業の規模ごとの平均、男女別、年代別などに注目して見てきました。大まかに言うと、平均的にはプログラマーの年収は416万円、しかし企業の規模や性別などの条件によっては400万円以下であることもあり、その一方で上の世代に慣れば600万円台の年収を得ることも可能ということになります。

プログラマーの年収を上げる方法


プログラマーの年収についていくつかの数字を見てきましたが、これらの数字はあくまで調査の結果得られた平均的なものです。プログラマーの中にはもちろん、ちょうど平均的な年収の人もいれば、平均以下あるいは平均以上の年収を得ている人もいます。同じ働くなら少しでも多い年収を得たいものですが、プログラマーとして得られる年収を増やしたい場合はどうすればいいのでしょうか。いくつかアイデアを紹介します。

GoやPythonなど人気の言語をマスターする

プログラマーが使うプログラミング言語は複数あり、中には需要が人気が高いものもあります。需要が高い言語をマスターすれば、得られる年収を高くできる可能性が上がります。

たとえば、求人検索エンジン「スタンバイ」を運営するビズリーチの調査によると( https://codezine.jp/article/detail/11017 )プログラミング言語の人気トップ3はGo、Scala、Pythonです。また、世界中のソフトウェア開発者に利用されているQ&Aサイト「Stack Overflow」の調査によると、開発者に求められている言語はPython、JavaScript、Goがトップ3を占めています。このあたりの需要が高いプログラミング言語をもしマスターしていないのであれば、マスターしておいたほうがいいでしょう。

SE(システムエンジニア)への職種転換

すでに人気の言語をマスターしているという人が視野にいれるといいのは、スキルアップしてシステムエンジニアへと職種転換することです。

プログラマーは主にプログラミングだけを行います。一方、システムエンジニアはクライアントの要望をヒアリングし、プログラム全体の設計を行います。システムエンジニアになるには、プログラミングに関するスキルはもちろんクライアントからヒアリングできる営業スキルやチーム全体のディレクション的なスキルも必要です。こういったスキルを身につけてスキルアップすれば、収入を上げることが可能です。

システムエンジニアの年収は?

システムエンジニアの場合、どれくらいの年収を得ることができるのでしょうか。もう一度「賃金構造基本統計調査」を見てみましょう。

システムエンジニアの場合、全体で見ると決まって支給される現金給与額が月375.3千円、年間賞与その他が1004.4千円、年収にして5508千円(550万8千円)です。男女別に見ると、男性は現金給与額が月384.2千円、年間賞与その他が1025.3千円、年収で5635.7千円(563万5700円)で、女性は現金給与額が月322.0千円、年間賞与その他が880.4千円、年収で4744.4千円(474万4400円)です。男女ともにプログラマーよりは高い年収を得ることができると考えていいでしょう。

より良い条件の会社に転職する

より良い条件の会社に転職するのも、年収を上げる方法のひとつです。可能であれば、より規模の大きな企業、あるいは同規模でも勢いがあって給与の上昇が見込まれる企業への転職を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

すぐに転職とまでいかなくても、転職サイトや転職サービスを利用し、他の企業のプログラマーの給与・条件などはどうか、今の勤務先よりいい条件のところはないかリサーチしておくといいでしょう。

転職したいプログラマーがチェックしておきたい転職サイト

転職したいプログラマーがチェックしておきたい転職サイトをいくつか紹介します。

リクナビNEXT

定番の転職サイトのひとつです。求人情報はもちろん、転職エージェントを利用すれば未公開求人情報にもアクセスできます。求人情報を出している企業の中には大手企業もあるので、好条件の転職先が見つけやすいというメリットがあります。

レバテックキャリア

ITエンジニア、WEBデザイナーに特化した求人情報を掲載しているエージェントです。特化しているだけあって、求人情報はもちろん募集企業の雰囲気など求人広告に乗りにくいところまで情報を持っているため、応募時には自分に合った企業かどうかも相談できる強みがあります。

TechClips(テッククリップス)エージェント

首都圏限定、ITエンジニア専門の転職エージェントです。年収500万円以上の紹介企業が全体の82%以上を占めています。高収入・好条件を求めて転職したい、首都圏に住んでいるもしくは首都圏に引っ越す予定の人はチェックしておくといいでしょう。

フリーランスになると稼げる?

収入アップのためにフリーランスのプログラマーになる、という選択をする人がいます。フリーランスのプログラマーの年収についてははっきりとした統計がないため、「フリーランスになれば年収が上がるか」という問いに対しては「わからない」という答えしか返せません。

ひとつ念頭に置いておきたいことは、フリーランスになれば年金や社会保険などもすべて自分で負担して支払わなければいけないということです。そのため、会社員時代と同じ金額の収入があったとしても、負担が増える分可処分所得は低くなってしまいます。フリーランスの場合は、会社員の1.5倍程度の収入でやっとほぼ同等の生活水準を維持できると言われています。会社員プログラマーからフリーランスのプログラマーになりたいと思った場合は、現在の1.5倍以上の収入を得られるかどうかをしっかり考えてからにすることをおすすめします。

まとめ

収入の割に激務であることが話題になることもしばしばあるプログラマーの年収ですが、国の統計から見る限り、平均的な年収は全体の平均よりやや高めであるという結果が出ています。とはいえ、これはあくまで一部の企業を対象にした調査であり、中には自分の今の待遇や収入に満足できないプログラマーもいることでしょう。

より好条件で働き高収入を得たいならば、需要が高いプログラミング言語や営業スキル、マネージメントスキルを身に着け、より高収入が得られるようにステップアップしていくことが必要です。場合によっては転職も選択肢のひとつに入れるといいでしょう。ぜひ、今回ご紹介した数字をきっかけに、自分の年収が平均からみてどうなのか、これからより稼ぐために何をすればいいのか、自分はプログラマーとして将来どんなキャリアを積んでいきたいかなどを考えていただければと思います。









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フリーライター。ビジネス系からスピリチュアル系まで、さまざまなWEBコンテンツを書いています。京都中心に関西方面での取材もたまに。