投資を受けるってどういうこと?わかりやすいVC(ベンチャーキャピタル)の仕組みと投資を受ける際の注意点

学び

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はじめまして。木暮圭佑(@keysket)と申します。

2015年4月に、TLMというベンチャーキャピタルを立ち上げました。

さて、突然ですが、みなさんはベンチャーキャピタルを聞いたことがあるでしょうか?

起業という選択をした際、資金のアテの候補として上がるベンチャーキャピタル。

資金を提供すると同時に「ハゲタカみたいで投資をうけたら会社を追い出される」みたいな悪いイメージを聞くこともあります。

では、そもそもベンチャーキャピタルとはどういうものなのでしょうか。今回は寄稿としてベンチャーキャピタルとはどんなものなのかを書かせて頂きます。みなさんが起業する際の一助になれば幸いです。

※厳密に言うと細々とした部分で例外があったりはするのですが、多くの場合に当てはまるところで書かせていただきます。
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VCとは

ベンチャーキャピタルとは、「主に未上場の会社に”出資”という形で資金を提供する投資会社」です。出資というと硬いニュアンスがありますが、要はお金を出す代わりに会社の運営権である株をもらうという投資の会社です。
上場株であれば公開市場で株を買うことができますが、未上場では公開市場がほぼないので、会社側とベンチャーキャピタル側での直接の交渉で決まります。
多くは”第三者割当増資”という形で未上場の会社に新規に株を発行してもらうことでその株を引き受け、その分その会社は運営のために必要な資金を得るといった形です。

また、このベンチャーキャピタルの意思決定者のことを、ジェネラルパートナー(以後 GP)と呼ばれます。僕自身もTLMというVCの代表ですので、社長ではなく、GPとなります。

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VC自体のビジネスモデル

前述のとおりですが、僕らベンチャーキャピタルは未上場の会社の株を保有する代わりに投資として事業に必要なお金を提供する仕事です。では、そのお金はどこから出ているのでしょうか。

多くのファンドと同じように、僕らもお金を”運用”することがメインの仕事です。僕らは自分の手金だけでなく、お金を預かってそのお金を投資に回しています。

つまりはベンチャーキャピタル自身も形は違えど、お金を投資してもらっている立場ということです。お金を出してくださる方々のことは、LP(リミテッドパートナー)と呼ばれています。
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ではベンチャーキャピタルはどのようにしてお金を儲けているのでしょうか。
僕らは投資して引き受けた株を売却することで利益を出すというビジネスモデルです。引き受ける株の金額は基本的には会社全体の価値である時価総額によって変動するので、投資したタイミングよりも時価総額が上がったタイミングで株を売るというかたちです。

売却の際に得た利益はお金を出してくださった方にお返しをするのですが、その中から成功報酬として20%〜30%を貰うことができます。

また、多くのベンチャーキャピタルは集めた金額の2〜3%を毎年、管理報酬として受け取ることができます。同時にこちらはファンド自体の運用費も兼ねているので起業家とのアポで使われるカフェの代金であったり仕事用品はこちらから払う形になります。

エンジェルとの違いは?

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よく質問されるところで、エンジェル投資家とVCの違いを聞かれることがあります。

前述のとおり、僕らはお金を運用する立場です。だからこそ、着実に利益をもたらしてくれるような、そんなところにお金を出さなければなりません。同時に、ベンチャーキャピタルには、ファンドとして期限があります。その期限内にVCは、結果を出さなければなりません。その期限を超えて、株を保有し続けることはできません。

エンジェル投資家の場合、自分の財産の中から投資をしていますので、ある種自由な意思決定ができますし、この期間までにどうにかしないといけないという期限もありません。
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VCからお金を調達するときの注意

悪魔の契約

では、具体的にVCから資金を調達するときにはどのような点に気をつければいいのでしょうか。

事前に頭にいれておかなければならないのは、株というのは、会社を運営する上で、とても大事なものであるということです。VCから出資を受けるということは、株主にそのVCが入るということでもあり、会社の運営権の一部を渡すということになります。つまり、VCにもその会社の経営に口をだすことが出来る、ある種運命共同体になるということでもあります。

もちろん、会社の経営について他の会社の事例や知見を持っていて、会社の方向性に対しての思想が、経営陣と同じVCであれば、素晴らしい助けになってくれることでしょう。ですが、経営者とVCで、意見が食い違うという事例ももちろんあります。
しかも、VCからの株を買い戻して、株主を自分たちだけにするということもなかなか大変です。
先輩の言葉を借りるなら、まさに悪魔の契約になっています。
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イグジットしなきゃいけない

もう一点、留意しなきゃいけないことは、VCとしても、お金を出してくださった方々にお金を返さなきゃいけないということがあります。当たり前ですが、未上場株はすぐに売れるものでもありません。いつ投資したかによって大きくかわってきますが、取得したときよりも3倍〜100倍くらいの金額で売却できることを望んでいます。同時に、時価総額があがり、自分の持っている株の価値が上がったとしても、ちゃんと売却までいかないこともあります。基本的には株を売却できるタイミングは、

1.IPO(上場して公開市場) 
2.M&A(株式を他の会社に売却する) 

の2点しかありません。

つまり、VCから出資を受けることで、基本的にはこの2つのどちらかを目指さなければならないということです。未上場で社内がまかなえるくらいのそこそこの成長をしたいということであればVCから出資を受けると、お互いが不幸になります。

最後に

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今回書かせていただいたのはある程度概論と心構えの部分を書かせて頂きました。最後に書かせていただきたいのは、出資するしない株主として迎える迎えないは多くの場合”相性”がキモになってきます。この人であれば一緒に戦っていきたい、この人なら株主に入れても大丈夫と経営陣が思い、同時にお互い会社のゴールに対して同じ考えを持っているようであれば、きっと強い支えになってくれるのではないかと思います。

事業を拡大していくうえで、VCからの出資という選択肢が生まれた場合、ベストなVCを見つけ、一緒に戦っていくことができることを願います。

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この記事を書いた人

木暮圭佑
ベンチャーキャピタリスト。2015年4月から独立系VC TLMを立ち上げジェネラルパートナーに就任。 ラーメンとインターネットと服が好き。@keysket